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うごめく欲望と闇の獣②にしおりをはさみました!
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うごめく欲望と闇の獣②
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次元の存在による誘拐事件によって触手に嬲られた宝をさらに犯し天剣の医療部に預けた。キルシュは、アヴェルに説教をくらい大人しく受け入れていた。説教が終わると煙草を吸いに喫煙室へと行き、一息つく。
「ふぅ・・・」
体液によって発情した宝に欲情して歯止めが効かない自分の醜態に溜息ばかりしかでない。昔の事を少し思い出していた。
キルシュは東京が蜃気楼化する以前から外国のストリートチルドレンとして、法に触れるような汚い仕事までやっていた。物心つく頃には親は居なかったし、そうしなければ生きていけなかったのだ。
盗みだけでは生活費が足りないので金持ち相手に身売りしてどんな変態プレイにも耐えた。初めて犯された日の事は気持ち悪すぎてあまり覚えていないが、割り切るために身体に無理矢理覚え込ませた。
pipipipipipipi
携帯デバイスが鳴り、エイドからの呼び出しだとわかると重い腰を上げる。
天剣中央棟のリーダー執務室に呼び出されたキルシュは、エイドと対峙する。ソファーには座らず一定の距離を保っていた。エイドは相変わらず笑顔だが、明らかに怒気をはらんでいるからだ。
「どうしたの、キルシュ?座らないのかな」
「ここでいい。今回の事件の始末書でも書くのか」
「いや、もっと楽しい事だよ」
「楽しい・・・ことね」
「任務中にあんなケダモノみたいに、ガツガツと宝君を慰みものにするのは楽しかったかな?」
「っ」
見られていた。エイドは使い魔を飛ばして監視していたのだろう。自宅は魔術障壁でプライバシーを守っていたが、街ではそうはいかない。
「宝君は貴重な保護対象だよ?誰が好き勝手にしていいって言ったのかな?」
「俺が勝手に・・・」
「ふーん・・・キルシュ、上着脱いで四つん這いになって」
「はっ、なんで」
「はやくしてよ、淫売の雌犬くん」
「ーーーーっ」
キルシュはエイドに従い嫌々ながら上を脱いで床に四つん這いになった。かつて金持ちのペットをしていた頃の自分を思い出す。あの時は犬以下の扱いを受けていたが・・・。四つん這いになったキルシュの手元に乗馬鞭が転がされる。
「それ拾って、鞭で躾けて下さいってお願いしてよ」
「・・・断る」
「えー、好きでしょ?じゃあ、宝君にしようかな」
「ぐっ、・・・鞭で躾けて下さい」
「うんうん、素直だね」
キルシュは鞭を片手で拾ってエイドにお願いする。鞭を受け取ったエイドは柄でキルシュの顎を撫でながら笑顔を向ける。
「僕がプレゼントした【キルシュ】になった時からもう君は僕の所有物なんだよ?」
「・・・」
「天剣にいる間は、僕は君の絶対的支配者なんだよ?わかる?」
「・・・うるせえよ、クソ偽善者。さっさと鞭打ちでも突っ込むでも好きにしろ。ただ宝に手を出したらコロす」
「はいはい。じゃあご希望通り体罰といきますか。言っておくけど何か不始末があった時に体罰希望したのは君だからね?」
「・・・・・」
その言葉に偽りがないのかキルシュは無言で目を瞑る。そして鞭が振り下ろされる乾いた音がした。
宝は次の日病室のベッドで目が覚めた。体液による後遺症も感染症もないのを確認され、明日は退院していいよとアヴェルに言われた。カノもお見舞いに来てくれる。
「ゴメンな、一人にして。オレが付いていれば」
「ううん、大丈夫。俺が不用心だったし、まぁ生きてるから」
「宝はしばらくまた内勤だって。現場は早すぎたな」
「そうみたい。そうだ、キルシュは?」
「あー、うん、キルシュさんは・・・また謹慎中」
「え、そうなの・・・またあそこに居るの?」
「うーん、うーん、えっとな・・・ゴニョゴニョ」
「・・・・・え?」
カノは周りに聞かれるのがまずいのか宝に耳打ちする。どうやら謹慎中のキルシュはあの独房ではなく別の雑務をしているようだった。
宝は次の日退院すると、急いでキルシュの自宅へ戻る。エレベーター前で大荷物を抱える引っ越し業者らしき人物を目撃する。前に出てボタンを押してあげて顔を見ると、それはキルシュだった。
「なに・・・してんの・・・」
「引っ越し」
いつもの天剣の制服ではなくラフな作業着に帽子とマスクをしたキルシュだった。黒縁眼鏡からの金目がやけに目立つ。
「引っ越しって、俺達引っ越すの?」
「アホか、俺達じゃない。着いて来い」
「えっ、ちょっと!」
エレベーターに足蹴りで押し込まれ乗り込むと、微妙な空気の間を感じる。
「身体大丈夫か」
「え、あ、うん!大丈夫!治り早いから。あの、キルシュが助けてくれたんだよね?あんまり覚えてなくて・・・」
「あぁ、カノとな」
「そうなんだ・・・ありがとう」
「・・・・・」
てっきりなんで無茶したとか罵倒されるかと思っていたが意外にも沈黙だった。エレベーターはすぐ2階に着いて、出ると右折し3番目の扉の前で止まる。
ドアを開けろと顎で促されたので、ノックして失礼しますとドアを引いて開ける。キルシュはズカズカと中に入りその後を追うと、中に誰か居た。振り返った人物の顔を見てあっと驚く。
「か、母さん!?」
「宝〜!よかった、やっと会えたわ。心配してたのよ〜」
それは宝の母親【田中ちさ】だった。それなりの子持ち年齢層だが、宝より小柄で童顔のためたまに宝のお姉さんと勘違いされる事もあった。中性的な顔立ちもしているので男の服装なら少年にも見えなくもない。ちさは宝の所に可愛らしく走って来て抱き着く。
「宝が誘拐されて天剣の人から連絡来て保護されてるって聞いてたけど、会わせてもらえないからずっと心配で!」
「う、うん、ゴメンね。多分守秘義務とか色々とあるみたいで。というか、何でここに?」
「実はね、アパートが燃えちゃってウロウロしてたら今日からここでしばらく住んでいいってお迎えが来てお言葉に甘える事にしたの。あ、でもお言葉に甘えても母さんはちゃんと働きに出て稼ぎますからね〜」
「ええ!?キルシュ、知ってたの?」
「まぁな、いきなり今日引っ越しは知らなかったが」
「ところで、宝。こちらのイケメンさん、どなた?」
「え、天剣の警備部の警官でキルシュさんって言って今居候を・・・っていうか母さん、この人のこと何だと思ってたの?」
「引っ越し屋さん?」
ちさは悪そびれもなく天然の笑顔で、キルシュにニッコリ微笑んだ。キルシュは特に怒るわけでもなく、ちさの髪の色は黒くて目はアーモンド色だが、宝と並ぶとそっくりだなとマジマジと見ていた。
片付けを終えるとリビングでちさの淹れたお茶を飲みながら3人は、今後の方針を話し合う。ちさは宝が天剣の警備部に就職したのを聞いて心配はしたが将来安泰と喜んだ。
宝にはお母さんと一緒に住めばいいじゃないと言われたが、キルシュが適当に丸めくるめて断った。宝はとりあえず一度キルシュの部屋に戻って、自分の片付けをしてから警備部へ戻らないといけなかったので部屋を後にする。キルシュが居残っているのが気になったが、時間がないのでしぶしぶその場を離れた。二人きりになると、ちさからキルシュに話しかけた。
「正直なところ、あなたに宝は二度と会わせないって思ってたの」
「・・・そうか」
「でも気が変わった。あの子、あなたと普通に会話してるんだもの。宝は普通の子と少し違うところがあるから、あんまり友達居なかったし」
「・・・俺は・・友達じゃない」
「宝はね、それはそれはもう大事に育てて来た私の【宝物】なの。父親がわからなくてもちゃんと真っ直ぐに育ってくれて」
「・・・ビビリのくせにたまに無鉄砲だけどな」
「あなたは宝のことよく見ててくれてるのね。でも【お義母さん】と呼ばせないわよ。一緒に住んでるのよね?」
ちさは勘ぐり深いのか、一瞬でキルシュと宝の関係を見抜いていた。さすが母親だ。
「心配しなくても、呼ばないから安心しろ」
「でも、可愛く【ちーちゃん】って呼ぶのはオーケーよ」
ちさは親指をグッと立てて満面の笑みを向ける。キルシュは宝とよく似た顔でおちょくられると、ちょっとイラッとしたが一般人なので堪える。
「だから、あの子が嫌がる事はしてほしくないし悲しい思いもしてほしくないの。あなたと同居してるのはあの子の意志なの?」
「まぁな・・・一度追い出されたが、あいつが俺を受け入れた。今はそれで十分だろ」
「はぁ・・・そうなの、じゃあ100万歩譲ってそこは許してあげようかな」
「・・・おい、ちさ」
「きゃっ♡なにかしら」
「(イラッ)・・・宝は、俺のモノだ」
「そんなに!そんなに!宝の事を!!!お母さん負けませんからね!がんばっていつか本物の家族になれるようにキルシュ君の頑張りを見守るわ」
なんの勝負かだんだんわからなくなってきたが、とりあえず宝との関係はなんとなくバレたようなのでキルシュは遠慮しない事にした。ちさは能天気に見えるがなかなか手強い。
「ねぇねぇ、そういえばどっちが攻めで受けなのかしら?ウエディングドレスはどっちが着るのかしら」
ちさはお花満開の笑顔でキルシュに訪ねた。その質問を答えることなく耐えられなくなったキルシュは根負けし、ちさの部屋を後にする。そして自分の部屋の玄関扉を乱暴に開けると、リビングで片付けしていた宝を乱暴に肩に担ぎ上げる。
「おい、ヤるぞ!宝」
「えぇっー!?俺今から警備部戻るんだけどって、聞いてる!?」
「・・・俺がお前に対して絶対的攻めだというのを今から叩き込む」
「いや、意味わからないから!ねぇ、や、やだ!いやだーーーー!!!」
宝の拒否は虚しく響き、寝室へと連れ込まれるのだった。
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