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第63話 感じる体温にしおりをはさみました!
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学校一の陰キャが学校一の不良に「諸事情あって」ベタ惚れされた話
第63話 感じる体温
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「ここ?」
暫く他愛ない話をして歩くと、天宮の家に着いた。
学校から割と近い場所にある。俺と反対方向とはいえ、距離はそこまで離れていないようだ。
何の変哲もない、至って普通の一軒家。いやまあ家まで不良仕様なわけはないけどなんか意外だ。
「うん。隣が誠の家」
「え、家も隣同士?だから幼馴染なのか……」
「まあ、それもあるけど」
隣を見ると、シックな色合いの家が建っていた。気のせいか、他の家より大きめに感じられるような。
ちらりと表札を見れば青木と書かれていた。本当にあいつの家らしい。
家が隣の幼馴染って、アニメとかでよくある設定でなんかすごい。と同時に、羨ましい、と思ってしまった。
小さい頃から知っていて、家にも行ったことがあるんだろうな。
「せっかくだし、家入る?」
「ぅえ?いや、悪いし!大丈夫!」
なんて思っていたら、天宮がそう提案してきた。言いぐさからして親が不在なのか気にしない性格なのか、なんにせよ入ったらいろいろ終わりな気がする。
そもそも遅くなりすぎるとさすがに心配されるので、ここいらで帰らないといけない。
「そう……?」
「じゃあ、また月曜……っ」
慌てて帰ろうとすると、突然天宮に抱きつかれた。
ドキッと心臓がはねる。結構腕に力がこもっていて痛いけど、それも気にならなくなるくらい鼓動がうるさい。
「優ちゃん……!?」
「春くん……神崎と何かするの、嫌なんだよね?」
「え?うん……え?何?」
その話とこの行為になんの意味があるのか分からず、舌が回らない。目が回りそうだ。
直に感じられる天宮の体温が全身を巡り、熱い。
「じゃあ、俺は?」
「へ……」
天宮が抱きつく手は緩めず、こちらを見上げて聞いてきた。
「俺と、何かするのは……平気?」
「な、何かって……」
「さっきのさ……俺、嫌じゃなかったよ?恥ずかしかったけど」
さっきのとは、電車の中でのことだろうか。
嫌じゃなかった?じゃあ、むしろ嬉しかったということ?
それってつまり……。
「あの……優ちゃん、それ以上は」
駄目だ。
これ以上聞いたら、俺は……。
「誠はああ言ってたけどさ……俺、もう我慢できない……」
「ちょ、ちょっと……!」
「春くん……」
「────!」
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