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この世に産まれて、一番最初に求められたのは“自立”だった。
記憶がある頃から父親は滅多に現れなくて、母親はその父親にすがるように生きていた。
父親は家庭を持っているらしく、俺が産まれたことを知ったとき、絶望したような顔をしたらしい。
でも、別に不幸じゃなかった。
母親に暴力をふられようが、食事を与えられなくたって、弟と呼べるような子が産まれてきたから。
父親は僕と腹違いの弟の方を愛したが、暫くすれば同じくらい僕を愛してくれるようになってくれた。
『爽五君は立派なお兄ちゃんね。』
よく血の繋がっていない秋のお母さんに言われた。
実の母親からはよく『お前を産まなければ良かった』と言われた。
それでも秋の家族と過ごす時間はとても楽しかった。
一緒に昼寝をして、一緒に車で遊んで、庭ので日向ぼっこをして、疲れたら一緒にご飯を食べた。
ただ、一緒に居られるだけで幸せだったのに。
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