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1年1組の評判にしおりをはさみました!
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1年1組の評判
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「まずだな、お前のクラスは全体的に騒がしい」
「はぁ・・・すみません」
ん?
なんだこれ。
俺は俺のクラスの生徒の問題点を聞いているのか?
それとも俺が説教されているのか?
「篠村は何度注意してもに寝るし、鈴原は何かと突っかかってくるし、そして・・・」
一旦の沈黙。
・・・だが。
「佐藤の糞野郎がああああ!!」
「!?」
俺は相良さんのブチ切れに驚いた。
黒板消しの犯人は佐藤か。
でもあいつ、そんなことする奴だったか?
それに・・・
「篠村って授業中に寝るような奴でしたっけ?」
「むしろ寝てないことの方がおかしいってくらいにはな」
あいつは生意気だし俺を呼び捨てで呼んだりもするが、授業は真面目に受けいた。
バイトが深夜だとやっぱきついんだろうけど、少なくとも俺の授業では起きていた。
「・・・・・・」
「ん?どうかしました?」
「んー・・・目が・・・」
「あー、目ぇいじっちゃだめですよ。ほら、洗ってきてください」
「・・・そうする」
そう言って相良さんは人目を気にしながらそそくさとお手洗いの方へ向かって行った。
・・・・・・
「・・・という苦情が来ている。気をつけるように。以上、解散!」
起立、礼!さよならー!と言って一斉に教室を出て行く生徒達。
元気の良さならトップクラスなのにな、残念だ。
そしてその様子を眺めていると、
「先生!」
と、また元気な声が聞こえたので、振り返ってみると一人の生徒が申し訳なさそうに立っていた。
「どうした、清水」
「先生、すみません、私の実力不足で・・・」
この生徒は清水沙織。
クラスの学級委員として申し分のない働きをしている。
そして彼女が謝っているのは、クラスをまとめることができなかったという、彼女の責任感の強さから来ているのだろう。
「別に、そんなことないさ。職員室でもお前の評判は良い。先生の代わりに注意してくれるだそうだ」
「ホントですか!?」
彼女は頬を赤らめて嬉しそうに笑った。
全員がお前みたいだったらウチは優等生クラスと呼ばれていただろうに。
そして清水を見送った後、今だに眠っている生徒を発見。
篠村である。
軽く小突くが返答はなし。
仕方なく肩を揺らしながら、
「おい、篠村。起きろ。鍵閉めんぞ」
「ん・・・こ、ば、や、し・・・?」
篠村は体を起こすなり、何故か驚いていた。
「え?え!?なんで俺学校にいんの!?」
つかさず俺はツッコミを入れる。
「何寝ぼけてんだ!授業受けただろうが!」
「あ、そっか・・・学校、か・・・バイト、行かねぇと・・・」
「おい、篠村!」
「・・・ん、何?」
「本当に、大丈夫なのか?」
「え・・・」
何が、というような顔をするので俺は説明した。
「そんなんで体、持つのか?」
「・・・・・・」
「やっぱり、無理しない方が・・・」
「・・・ありがと」
それは、とても優しい声音だった。
絶対そんなキャラじゃないと思ってたのに。
いつもと違う雰囲気で。
それもすごく優しい笑顔で。
そして俺は、この笑顔を忘れることは無いだろう、そう思えるほどに、その笑顔が綺麗にみえた。
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