アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
09にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
09
-
「あ……?!」
ドクン、と震える体。
倒れたイーリス。
わけがわからないまま、レイは地面に膝をついた。
「思ったより気が抜けていたな、レイ。上手くいくことを確信でもしたか?」
剣の切っ先で顎を持ち上げられる。
ヒヤリとした金属に、初めて、言いようのない恐怖を感じた。
「……おま、え……なにをしたっ…!」
「ふはは、その挑戦的な目。いいな、すぐに折れてもらっちゃ困る。」
今なら殺れる。
なのに体が動かなかった。
「イーリスはお前の運命遺伝子のαだ。お前のそれは、発情期。」
ニタリと王が笑う。
運命遺伝子。
それはないはずのもので、レイに二度と来るはずのない発情期を誘発するもの。
体中熱くて、下半身がジンジンする。
長らく忘れていたこの感覚は、確かに遠い昔感じた発情期のものと一致している。
「運命遺伝子が死にそうだからなぁ、お前は本能的に、子を残そうと発情期を迎えた。」
「っ、てめ、ふざけっ……」
視界がぐにゃりと歪み、自分の手もよく見えない。
イーリスは、どうなった。
イーリスは何をされた。
体が、熱い。
思考がまとまらない。
「やっとお前が手に入る。」
伸ばされた手に抵抗すらできない。
王の手をはらいのける力すらなかった。
「っ、お前……致死量の毒薬を打たれてまだ動けるか。」
王のその言葉と同時に、イーリスが弾丸で王の手を撃ったことを理解する。
ダラダラと垂れるその血はαのもの。
(やめろ、違う。あいつの、こんな汚い血……!)
涎が零れて、石畳にぽたぽたとシミを作る。
「……ふふ、ふははは!無様だなぁ!散々抵抗しても、お前は所詮Ωだ!αの体液はΩにとってご褒美。血ですら甘く感じると言う。もう諦めたらどうだ?!」
歯を食いしばり、拳を握りしめても、体の反応は止まらない。
その血が欲しいと、体が叫んでいた。
(いやだ、いやだっ……)
王がもう一度手を伸ばしたその時、ジャパニアの軍と違う兵士が王宮になだれ込んできた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
10 / 11