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無気力小悪魔×世話焼き幼馴染みにしおりをはさみました!
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無気力小悪魔×世話焼き幼馴染み
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「………ん…?」
目を開けると既に朝だった。隣を見れば幼馴染がまた俺の布団に潜り込んできてる。
こいつはいつもそう。俺の家に泊まるってなるといくら布団を敷いてもベットに潜り込んでくるし、逆に俺が布団に寝れば次は布団に潜り込んでくる。
そんなことを小さい頃から何年も何年も続けてきたせいか、今ではこいつが俺の隣に寝ていても何ら疑問を抱かなくなった。
「真斗、起きろ。」
「……瑠佳…?」
おばさんやおじさん、他の奴が起こそうとしても真斗は起きない。
俺だけの声に反応するこいつをいつからか愛おしく感じるようになってた。
「朝だぞ。今日は早く行くんだろ?」
「……あと5分……だめ?」
「ダメだそう言って昨日30分寝ただろ」
「ちぇ。」
無気力なこいつは昔から世話が焼けて、俺がずっと一緒にいないと、何もしない時さえある。
この前だって俺が部活の合宿に行ったら真斗が倒れたという報告を聞いて部活を放って大急ぎで帰ってきた。
「ねぇ瑠佳。瑠佳だけは僕とずっと一緒にいてね?」
「おう。当たり前だろ?」
「……約束だからね。」
真斗はいつも俺と一緒に居てという。そんなこと言わなくても、俺はずっと真斗と一緒にいたしこれからもいるのに。
だから俺は気付かない振りをする。
あぁ可愛いなぁ。美味しそうに弁当を頬張る姿も、サボる俺を探すためにわざわざ授業を投げ出すのも、俺が呼べば友達との遊びもキャンセルするのも、全部全部愛おしい。
「ダメだよ瑠佳。もっと警戒心持たなきゃ。」
ライターで持っていた手紙を全部燃やす。
宛名は瑠佳宛だけど、内容は邪魔な奴らからのラブレターだから燃やしてしまった方が賢明だ。
だって瑠佳は優しいから。優しくて優しくて、その優しさを誰にでも振りまいちゃうから悪い虫がついちゃう。
瑠佳は俺のなのに。
「……な!なんでここに淡口が!?」
「あ、やっと来たーごめんねー瑠佳じゃなくてー」
手紙に書かれていた時間通りに送り主が来る。
珍しく女子じゃなくて男子だった。
「で?山木くんは瑠佳に何のようだったの?」
「え、いや………ってそれ」
「……?あぁ、これ?ごめんねー燃やしちゃった。」
「なん、でそんなこと……」
心底信じられないって顔して見られる。心外だなぁ。
むしろ俺的にはお前が瑠佳に告ろうとしてることの方が信じれねぇんだけど。
そんなこと思いながら山木の方に行く
「なんでって簡単だろ?瑠佳に告白されちゃ困るから。
瑠佳は俺ので俺は瑠佳の。ずっとそれでやってきたのに今更新しい奴なんて要らない。」
「……は?」
呆然とする山木。本当にあほ面だなぁ。
でもこいつ挑発しすぎてバラされても厄介だな。
瑠佳の前での俺は何も出来ない無力くんだから。
「別に想うぐらいなら許すよ。俺そんな心狭くねぇし。
でもさ、告白はダメでしょ。いくら瑠佳が鈍感だからってさー?」
「……お前、そっちが素かよ。」
「えー?なんのことー?別に素とかないよー。俺は俺で、瑠佳にとっては可愛い僕なの。それ以上もそれ以下もなーい。」
自分で何言ってるのか理解が出来なくなるが、まぁ仕方ない。だって瑠佳の前では小さい頃の自分でいられるから。
今の俺は真っ黒だ。瑠佳への執着でドロドロになってしまった。こんな真っ黒で汚い心、瑠佳には見せられない。
「俺の事、言ってもいいけど瑠佳は信じないよ。
お前なんかよりもずっとずっと一緒にいたんだから。」
ばいばーいと手を振って屋上をあとにする。
教室で待ってると瑠佳から連絡が届いてるからそのまま教室に行こう。
ねぇ瑠佳、もしこの気持ちがバレたら瑠佳は俺を嫌いになる?そんなの嫌だ。だから……
だからお願いだから、俺を嫌わないで。
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