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黒の暗殺者8にしおりをはさみました!
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黒の暗殺者8
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「え、あ、いや、な、なんでもありません」
「何か気になってるからそういう目で見てるんでしょ。気になることがあるなら言って。俺に答えられることなら答えてあげる」
そんなことを言われても、少年は国王相手に堂々と質問をするような度胸など持ち合わせていないのだ。だが、淡々としたヨアンに気圧されてしまった少年は、結局おずおずと口を開いた。
「……えっと、あの、さっきの魔物を倒したのは、ヴェールゴール王陛下なのでしょうけれど、……あの、どうやって、倒したんだろうって……」
「どうもこうも、殺しただけだよ」
何を言っているんだ、という顔をしてそう言ったヨアンに、少年が困惑したような表情を浮かべる。それを見かねたのか、カリオスが助け舟を出すように口を開いた。
「ヴェールゴール王国は、優れた隠密技術を持つことで知られています。その国の国王陛下ともなれば、その技術や能力はリアンジュナイル大陸一、……いえ、この世界一と言っても差し支えないでしょう。つまり、ヴェールゴール王陛下は、あの魔物を暗殺したのです」
「あ、暗殺、ですか……?」
そのやり取りに、ヨアンが納得したような顔をした。
「ああ、そういう質問だったのか。うん、そこの師団長の言う通り。俺には魔物の本体がどれかとかわかんないし、取り敢えず片っ端から暗殺した。で、途中で本体に当たったから残りの幻が全部消えた。そんな感じ」
「で、でも、僕、あのとき、ヴェールゴール王陛下の姿なんて全然見えなくて……。そもそも、魔物は、同時に何体も倒れたりしてたし、……あ、もしかして、広範囲に効く攻撃魔法を遠くから打った、とか、でしょうか……?」
少年なりに頭を回転させた結果の発言に、しかしヨアンは首を傾げた。
「いや? 俺はそういう魔法得意じゃないから、一体一体地道に殺してっただけだよ。第一、そんなあからさまな魔法なんか使ったら一発で存在がバレちゃうじゃん。あんた隠密の意味判ってる?」
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