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お茶会6にしおりをはさみました!
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お茶会6
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蘇芳の豪快な飲みっぷりにやや気圧されていたギルヴィスが、しかし、と言って赤の王を見た。
「キョウヤさんの方は判りましたが、ロステアール王の方は、何故スオウさんを賓客としてお迎えになったのです? キョウヤさんとの関係はご存じなかったようですし、別件で何かあったのですよね?」
その当然の疑問に、赤の王はにこりと笑って返した。
「スオウ殿は、グランデルの国境近辺一帯を破壊せんと送られてきた帝国の刺客でな。ちょうど三日前に私と死闘を繰り広げたところだ」
なんでもないことのようにさらっと言ってのけた赤の王に、少年は真っ青になって目を剥き、金の王は飲んでいた紅茶を喉に詰まらせて咳き込んだ。
「あ、貴方、お師匠様と戦ったんですか!?」
思わずといった風に叫んだ少年に、赤の王が不満そうな顔をする。
「敬語はやめてくれと言ったはずだぞ、キョウヤ」
「え、あ、ああ、ごめんなさい。って、そうじゃなくて、お師匠様はとても強かったでしょう!? 貴方、怪我とかは大丈夫なの!?」
顔面蒼白でそう言った少年に、一瞬きょとんとした顔をした赤の王が、次いでやたらと甘ったるく蕩けたような笑みを浮かべる。
「そうか、心配してくれるか」
そう言って少年の方に両手を伸ばした王は、そのまま子猫にするような気軽さで、ひょいっと少年を抱き上げた。ひえっと小さな悲鳴が少年の喉から漏れたが、そんなことはお構いなしに横抱きにした彼を膝の上に乗せた王は、愛おしげに少年の頭を撫でる。
「キョウヤは優しい子だな」
やはり甘ったるい声でそう言った王が、少年の髪やら頬やらにキスを落とした。人目というものをまったく気にしないその行動に、少年は最終的に泣きそうになっていたのだが、やはり王が気にした様子はない。
焼き菓子を口に詰めながらそんな様を眺めていた蘇芳は、どこか感心したような表情を浮かべた。
「へぇ。お前、本当に王様と付き合ってんだな」
「ち、ちが、」
違うんです。そんな事実はないんです。
そう言いたかったのだが、赤の王の唇に自分のそれを塞がれてしまって、後の言葉は声にならなかった。
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