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23にしおりをはさみました!
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「はあ……」
会社にて。
俺は自分のデスクで盛大に溜息を漏らしたため、周りから不思議そうな目で見られることになってしまった。
慌てて周りに「すみません」と謝罪の意を込めて頭を下げ、またパソコンに向き直る。
これも全部氷雨のせいだ。
昨日の行為のせいで身体は痛いし、朝の会話が脳をちらついて全然仕事に集中できない。
だいたい、“練習相手”ってなんだよ!?
BLのドラマCDの仕事が来たのはわかった。
演技の仕方がいまいちわからない、難しいというのもわかった。
だからって……
だからって、俺を練習相手にするってなに!!?
練習相手どころか、俺は無茶苦茶にやられただけなんですけど!?
「おーおー盛大に溜息吐くねえ」
このイライラしているときに、聞くのも鬱陶しい声が頭上から聞こえた。
俺の肩に腕を乗せ、パソコンの画面をのぞき込む。
「……なんですか、石倉さん」
「いやあ?俺の方まで聞こえるようなでっかい溜息吐く伊織チャンは、仕事の方はどんな様子なのかなって気になって」
「……ちゃんとやってますから、あっちに行ってください」
あーうるさい。
申し訳ないが今は一番聞きたくない声だし、関わりたくない人だ。
いやまあ、仕事上関わらないって言うのは無理な話だけど。
必要最低限は、今はひとりにしてほしい……。
「まあ、そうみたいだねえ?ならいいけど。困ったらいつでも俺を頼りなー」
そう言って軽い調子で手をひらひらと振り、自分のデスクへと戻っていく。
すると、近くの女性社員たちから黄色い声が上がった。
「石倉さんってほんっとかっこいいよねー。身長も高いし」
「あれで仕事できるなんて、いい男すぎる」
女性陣はこれでも聞こえないようにひそひそと小さい声でしゃべっているつもりだろうが、実際は周りには丸聞こえである。
周りの男たちは俺を含め、どう聞き流せばいいのかわからないといった困った顔をしている。
お前らはもう少し周りに気を遣えと言いたい……。
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