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「椿くんのキャラ、格好良い!」
「美奈子ちゃんはギルドに入ってる?」
朝、駅の改札で話す二人を見かける。
ゲームとかの話だろうか。
スマホを見ながら盛り上がる二人をぼんやりと見つめた。
確か、同じマンションって言っていたっけ。
見るだけで落ち込む……
あれから――
あっという間に、椿はその子のものになってしまった。
椿が笑って、その子と話している。
それだけで悲しくてやりきれない気持ちになった。
「椿くん。この写真、見て」
今度は彼女がスマホを見せている。
俺からはなんの写真か見えないけど……
「いつ撮ったの。可愛いね……」
覗き込む椿。
彼女との距離が近づき、苦しくなって背を向けた。
「やだ! 椿くん、そういう事、言っちゃうタイプなんだ」
「ねぇ……それ、俺にも送って」
「うん」
幸せそうな二人の声。
椿が誰かと付き合う。自分で勧めておきながら、受け入れられなくて。
「…………朝日奈。初めての時、緊張した?」
頬を赤らめて、椿が聞いてきた。
「別に……」
興味なさそうに返したけど、嫌な言葉に緊張感が走る。
「流石! 余裕だな。俺さ、手を繋ぐだけでドキドキしちゃうんだよね」
手、繋いだんだ……
頭を殴られたようなショックに表情なんて作れない。
「あっそ」
耳を塞ぎたいのにできなくて――
気付かれないように溜息をつく。
椿に彼女ができてから、惚気話が辛くて仕方ない。
「なんだよ、ノリ悪いな。相談に乗ってよ」
腕を掴まれ、ドキッとする。
――俺が相談に乗れる訳ないだろ。
恋愛対象は男、実は受け(ネコ)。しかもお前がずっと好きで童貞処女だし。
髪染めてピアスを開けて、軽音部でチャラチャラしてる外見のせいで、俺は物凄い経験者だと思われているらしい。
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