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「…………俺んち、親、仕事でいないから」
そう言われて、椿の住んでいるマンションに来てしまった。しかも相合傘で。
緊張しすぎて何を話したか覚えていない。
お洒落なマンション。
本当に誰もいないようで、家の中は静かだった。
待って。待ってくれ。
理解が追いつかない。
「ごめんな。お茶しかないけど」
目の前に置かれたグラス。お茶が注がれると、氷が涼しげな音を響かせた。
「俺、シャワー浴びてくる」
そう言い残し、椿はリビングを出て行ってしまった。
――――何これ。なんなの。
シャワー!?
『練習』って――キス? セックス……?
椿は一体、どういうつもりで――
確かに俺が言い出したけど。
キスだけなら風呂入る必要はないよな。本当に……? 今から椿と……?
妄想の中では、もう何回も椿に抱かれているけど、現実はただ狼狽えるだけだった。
考えても正しい答えは見つからない。
もしかしたら手の込んだ冗談かもしれない。
風呂から上がったら、笑われるかも――
『本気にした?』とか言われたら、どうしよう。
…………そんな事を言われたらへこむ。
じわりと涙が滲み、想像するだけで泣けてきた。
物音がして慌てて目元を拭った。
「はい。タオルと着替え。風呂はその奥」
俺も入るって事は――
冗談じゃない……?
椿に手渡され、言われるままに風呂のドアを開ける。
ザー。水音がやけに響く。
シャンプーを手に出すと、椿の匂いがして思わずキュンとする。
――――いやいや! おかしいだろ……!
椿んちの風呂でシャワー浴びている事実に身悶える。
俺にとって、これはチャンスなのか。それとも……
バシャバシャと顔を洗う。
考えても無駄だ。なるようにしかならない。
貸してもらったTシャツからは甘い柔軟剤の香り。
これも椿の匂い……
しかも、よく制服の下に着ているお気に入りのやつだ。
クラクラしながら、それを着こむ。
止まりそうな心臓。意を決してリビングのドアを開いた。
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