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297 side絢 帰りの車の中でにしおりをはさみました!
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297 side絢 帰りの車の中で
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side絢
「っいや、…!」
突然車内に響いた悲痛な声に心臓が縮まった
「真慕、大丈夫。」
あからさまに肩が震えてしまって、遅れて、寝ていた真慕が魘されたのだと理解するとそういう反応しかできなかった自分が嫌になる
来ないで、嫌だ。そう繰り返す真慕に大丈夫と根気強く繰り返し、葵は眠っている真慕をそっと起こした
「びっくりしたね」
「……」
起きた真慕の顔色は悪かった
葵の服の裾をぎゅっと握って一点を見つめたまま体を固めている
真慕って、詳しく聞いたことないけどレイプ紛いなこと、されたことあるのかな
異様に性的なことを嫌がるし、今みたいなああいう嫌がり方って無理矢理された時に出がちな言葉でもある
でも出会った頃から真慕はこんな感じ。
だとしたら俺に出会うより前って事になる
中学とか、高校で?
…怖かったんだろうな。
未だにあんな風に苦しんだりするくらいなのだから。
でも、そういうことをする奴らは一定数いる
AVでも痴漢や強姦はよくある設定だ。好む人がいるのだ。そういう状況を。
俺もそんな設定のビデオを撮られたこともある。もちろん、合意じゃない
勝手に始まった
流石に撮られるのは、ともごもごしたけど元々芯がない俺は毅然とした態度で断るとか出来なくて「いいからやれよ」なんて凄まれたら怖くなってされるがままになってた
相手からしても俺は頭悪いし、断らないし、すぐ脱ぐしで使いやすかったんだろう
真慕はそれこそ人形みたいに可愛い
俺にがっついてくるようなおじさん達が真慕みたいな綺麗な子を放っておく訳が無い
すぐに捕まる。
そしたらその後どんな扱いをされるかは目に浮かぶ
「── 絢、腕。」
「…え、あ。ごめん…」
反射的に謝る
短い言葉で指摘され、見ればすごい力で左腕を握っていた。
自傷のあとが酷いままで、裾を捲ればそれだけの刺激で血が出ている
バレないようにさり気なく袖を伸ばして隠した
「…、ねてた…?」
「うん、寝てたよ。具合どう?気持ち悪いとかない?」
「…ない…ちょっと、暑い。」
「窓開けようか」
「うん」
真慕は先程の夢を覚えていないようだった
それでも嫌な感じはあるのか、じ。と葵を確認してから周りをきょろきょろと落ち着かないように見ている
そんなに周りを見るからたまたま目が合って、そしたらワンテンポ遅れて呑気に「絢は起きてたの?」なんてどうでもいい事を聞かれた
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