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side 紬
また自分の身を投げ出すような助け方をする。
神楽はいつになったら自分が性行為が好きじゃないことに気づくのだろうか。
未だシクシクと泣き震えている雛乃を支えながら考える。
神楽の方が今よっぽど辛いはずなのにこいつはいつまでメソメソしているんだろう。
別に雛乃のことが嫌いなわけでも苦手なわけでもない。ここの店のみんなは家族みたいなものだし等しく大切な存在だ。でも俺の中で神楽は特別。
小さい頃から一緒に過ごしてきたし、あいつがどんな扱いをあの人から受けていたのかも知ってる。
「はぁ…」
思わず出てしまったため息に雛乃の肩がビクリと揺れる
「すみません、僕がうまくできないから……」
「いや、気にしなくてい───」
「そうよ、あなたがもっと頑張ればいいだけの話。いつまで甘ったれたことしてんの?」
「っ藍さん」
綺麗な黒髪を揺らしながらこちらへと歩いてくるのはこの店ナンバー2の売り上げを誇る水瀬藍。
「あなたがいつも泣き喚いたり体調崩す度に神楽が助けてるの知ってるでしょ?それだけじゃない神楽があなたの代わりに稼いだお金はあなたの手に渡ってる。なんでこんなことしてるか知ってる?」
「えっ」
あーやっぱひなのは気づいてなかったのか。
「はぁ、呆れた。あなた何も知らないのね。仕事がうまくできない人間はあの方の教育を受けることになるのよ。あなたじゃ到底耐えられそうもないやつをね。」
「っそうなんですか?」
雛乃がさらに目に涙を溜めながらこちらを見上げてくる。
「あぁ、だから神楽は雛乃が教育を受けなくていいように色々根回しをしてるんだよ。どうせ今回も次安く相手するから内緒でとか言ってるんだろ。」
藍は雛乃の守られてばかりいる姿にイライラしているのか未だに目つきが険しい。
彼は優しいやつだ。神楽が傷つくことも嫌だし、雛乃が今後生きていくためにも今こうやって変わる機会を与えているのだろう。
「全然知らなくて、、、僕戻ります!」
焦ったように戻ろうとする雛乃を引き止める。
「やめとけ、神楽だって今お前にヤってる姿見られたくないはずだ。」
「っ…そうですよね…」
「まあ今後はもっと頑張っていきなさいよ自分のためにもね。」
まだ時間はかかるだろうが、これで少しずつ変わっていくだろう。
あとはあいつにどうやって自分を大切にすることを教えてくかだな。
こっちは骨が折れそうだな。
とりあえず仕事が終わった時のケアの準備のためにその場を後にする。
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