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18歳以上ですか?
24にしおりをはさみました!
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24
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二人の間に沈黙が流れて初めて、俺が恥ずかしい言葉を口にしていたことを知った。
嫌じゃなかった、けどさ。
日崎が"いい奴"と認識してるからそう思ってるのであって──たぶん。
これ以上の沈黙はきつかったので、今日は俺の弁当に入っていた人参をごはんの上に乗せておいてあげた。
日崎はその人参を見てなぜか固まってる。見るだけで無理とかのレベルだっけ…?
よく見ると耳が赤くなってるのに気づいた。
「今日は食べてくれんの?」
「今日だけな…」
「せんきゅ」
そのあとはお互いキスのことを忘れようとどうでも良い話に集中した。
「犬の方がかわいいじゃん。なつくし」
「いや、オレは絶対猫!」
討議に熱がこもってくると、ベンチの余白は二人の間になくなってくる。
教室に帰る途中で日崎が「間接キス…」と小さく呟いているのが耳に入ってしまった。
日崎にしては誰にも聞かれていないつもりだったんだろうけど、俺には聞こえちゃったんだよ。
人参のことか…!?
あの箸ですでに俺食べてた…。
だめだ、恥ずかしくなってくる。聞こえてなかったことにしよ。
夜寝る前に、今日のことを思い出してしまった。
ベッドにあぐらをかいたまま、手の甲を自分の唇に押し当てて首をかしげた。
無意識に、首を日崎にキスされたのと同じ角度にしていたことは自分でも驚いた。
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