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18歳以上ですか?
27にしおりをはさみました!
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体がとてつもなく重くて、息が辛い。
窓の外の空は、まだ白み始めたばかりだった。
「絶対風邪だぁ…」
心当たりはありすぎるぐらいにあった。
昨日のことだ。
例の女の子が日崎にフラれたのが金曜日で、昨日は月曜日。
隣の女子からの視線が心なしか冷たい気がする。
いや、俺手紙渡しただけだし。……中身はちょっと見たけど。
フラれた子はばっさり髪の毛を切っていて、個人的にそっちの方が似合ってると思った。
噂というのは一体どう流れるものなのか。
少なくとも俺は話す友達も日崎くらいしかいないし、日崎もフった話を言いふらすようなやつじゃないから広めたのは女子側なんだろうけど。
休み時間には日崎とその女子の周りにそれぞれ人だかりができていた。
「もう好きじゃないから」
女子の間から聞こえた、金曜日よりずいぶん強くなったその声に、少し悲しくなった。
「うそ、雨降ってるじゃん」
「傘は?」
「ない」
「俺も…」
折り畳み傘が開いていく中、俺らは昇降口に立ち尽くしていた。
雨足は弱くなりそうになく、むしろ激しくなっていく一方だ。
「ダッシュするか…」
「暑いしちょうど良いかも」
「確かに!」
そう言って飛び出していった馬鹿2人。
……そりゃ風邪引くよな。
熱で回ってない頭でもそのぐらいわかる。
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