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出会いは突然に★にしおりをはさみました!
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出会いは突然に★
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今日はなんて天気が良いんだ。
そんなくだらないことを考えながら俺は家を出た。
月曜日でいつもは学校に行くのが億劫になるのだが、この日だけは違った。
夢ではとても可愛い女子が俺に告白をしてきて気分よく起きられた。また、朝ごはんも俺が大好きな卵のサンドイッチで、お弁当の中にも母さん曰く、から揚げが入っているという。
こんな日はいつも違う道で登校したくなるものだ。
高校までは歩いていける距離で、いつも自転車で通っている。でも、昨日友達の家においてきてしまった。だけど会ついていくのも苦ではないから、久しぶりに今日は歩いて行こう。
そう思いながら家を出た。
いつもは大通りに出て学校へ向かうが、今日は少し遠回りして公園がある道を通ろう。
周りを見て人が居なことを確認してから鼻歌を歌う。
そんな気分のいい時だった。
「離してください!」
大きな叫び声にも似た声が耳に届いた。
鼻歌をやめきょろきょろと周りを見ると、公園のトイレの方に3つの人影が見えた。
いつもならそんな場面に出くわしたら巻き込まれまいと素通りするところだが、今日の俺は気分がいい。そんな日は糸助けの一つや二つしてみたいもんだ。
ゆっくりとそこへ近づく。
…あ、助けるの無理かも。
俺がそう思うのも無理はない。
だってそこにいるうちの二人は、はなんと俺が通っている高校の制服を着ている。しかも髪の色が赤と金色だ。それは俺の高校で一番かかわっていはいけないといわれているヤンキーと同じ髪の色をしている。
ヤンキー二人のせいで脅されている?人の顔は見えないが、声の高さからして女子だろう。
物陰に隠れて様子を伺う。
「大人しくしてたら優しくしてやるから、暴れんなよ?」
「まあ、痛いのはあるけどな」
そう言って赤髪のヤンキーは相手の手を取り、強く引っ張る。
その時、二人の隙間から空いてのこの顔が見えた。
やばい!
めちゃくちゃ可愛いじゃん!
そう、その女子はとても可愛かった。
髪の長さは短めだが、くせっ毛なのかふわふわしている。色は明るい茶色をしていて目もぱっちりした二重で、どちらかというと外国人みたいな顔立ちだ。
いや、もうこれは助けないと損だろ!
俺は本能のままにそう思い、ポケットからスマホを取り出した。
そしてできるだけ大きな声でスマホに向かって話しかける。
「もしもし警察ですか?なんかあやしい人がいるんですけど!」
すると俺の声を聞いたヤンキー二人は、可愛いその子を強く押してそそくさと逃げて行ってしまった。俺はその二人が消えたことを確かめて、地面に座り込んでいるその子のところに近づく。
「大丈夫だった?」
座り込んでいる彼女に手を差し伸べる。
やべえ、今俺超カッコいいんじゃね?
今までの俺と言えば、フラれた数、不細工と言われたことも多すぎて数え切れていない。当たり前だが年齢=彼女いない歴だ。
「あ、ありがとうございます…」
彼女は上目づかいでそう言い俺の手を取った。
やばい、本当にこの子可愛いんだけど。
お母さん、お父さん、今日俺は初めて女子の手を握りました。
彼女は立ち上がると土がついたのか着けているズボンをポンポンと払った。
…ズボン…?
「あの、助けてくれてありがとうございます。俺は栗林健です」
彼女…ではなく彼はとっても可愛い笑顔を向けながらそう言ってくる。
ていうか、彼が着ている制服って…
「あの着ている制服って富士山高校のですよね?俺もそこの1年なんです。…えっと名前は…?」
「…あ、大関一生、です。え~とその、富士山高校2年です」
もうショックが大き過ぎて、なんか泣きたくなってきた…。てか今なら泣ける。
女子だと思って助けた相手は男子でした、なんて漫画の中の世界だと思っていたよ…。本当にいい笑い話だなぁ(泣)。
「本当にありがとうございました。
……突然ですが、先輩って彼女とかいますか?」
こいつ嫌味か?
こんな鼻が低くて目も細くて身長も低い俺が彼女がいると思うのか?
「いないけど…」
ムスッと応えると彼は嬉しそうに笑った。
その顔にキュンと来たのは秘密にしておこう。だってこいつ、そこらへんの女子より可愛いぞ。きっとあのヤンキー二人も女子だと勘違いして襲ったんだと思う。
「じゃあ、俺候補にしてください!」
「…はい?どゆこと?」
「だから先輩の事好きになりました。付き合ってください!」
彼は必死に頭を下げている。
本気なのかそうじゃないのか分からないが、顔は赤くなっていることは確かだ。
ああ、俺もこんなときあったな。
あれは美奈子ちゃんだっけな。クラスのアイドル的存在で俺が初めて告白した子だ。まあ、フラれたんですけどね。
「…あの、先輩へんじは…」
弱弱しい声で彼は俺に聞いてくる。
俺はそんな彼に笑顔を見せる。
「断る!」
それが俺の悲劇の始まりだった…。
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