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相手を無理に引き留めようとしない。それもホスト人生の中で学んだことだ。
もっとお金を落としてほしいという心を如何に隠して相手を楽しませるか。その為には相手を気遣う素振りを見せた方が効果があった。
電車の時間をそれとなく聞き出し、その時間になる前に時間の話を振る。そのタイミングで帰ってしまう人もいれば、そう言われたことでより名残惜しくなって追加注文をしてくれる人も多い。
それを狙って、残ってくれるような人には本指名してもらえるように接する。それが自分なりの、ホストでやっていく方法だった。
「本当?嬉しいな。何を呑みたい?」
笑顔を浮かべたままメニューを手渡す。リカが迷っている姿を視界に映しつつ、さりげなくボーイに合図を出し、反応を待った。
「……ん」
「ねぇカナタくん、リカ、これが良いなぁ~♡」
「分かったよ。ボーイさん、お願いします」
ボーイと目をきちんと合わせてぺこりと頭を下げる。それも相手から好意的に思われるための方法だから。
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