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ーーー朝、である。
明るさを感じ、結弦の意識は浮上する。目を開けると、透の寝顔。昨晩のことを思い出して、結弦は一人、幸福感に浸る。
久し振り、だった。透の気分次第で、今回はできなくても仕方がないと思っていたけれど、その気になってくれてよかったなあ……。
込み上げる愛しさに、なるだけ優しく彼の頬へと口づけた。彼の目は、まだ開かない。なのでもうしばし、寝顔を堪能させてもらおう。
***
そのうちに二人で起き出し、結弦は先に洗面所を借りている。鏡の前まで来て、目が行くのは首の付け根から肩口。そこに点々とある、鬱血痕。透の……しるし。
結弦はこれを見るたびに、嬉しくなれる。だって、透が自分につけてくれたものだもの。
「結弦。どうしたの」
自分の後ろへ透が来たのが、鏡に映っている。結弦は鏡越しに彼を見て、「これ見てた」自分の首筋辺りへ触れた。
「……。やりすぎたかな」
「えー、全然。もっとあったっていいくらい」
答えれば、たぶん透が照れて、困った顔で頭の後ろを掻いた。
「で、あの……後で、包帯巻き直してくれない? 寝てる間に緩んだみたいで」
「分かった」
にこり、ありがとうと口角を上げた結弦が隣で髪をとき始め、そのとき上げた左手首、袖の下に覗く、少し解けかけた白い包帯。
まさにって感じだなあ。
今一度、思う。
漫画なんかで見たことのある「リストカットをしている人」そのものがリアルに自分の隣にいるのって、なんだか不思議な感じがして。そして実際、そうなってみると……こんなにも、悲しいものなのかって。
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