アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
三枚おろしにしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
三枚おろし
-
「やっぱりな。それじゃはぐれてる間に熊に食われるだろ、俺が」
「う~…瑞はどうしても山に行くの、嫌?」
「熊の出ない山なら考えないこともないけどな、ヒノん家のそばの山はまず無理」
あの山は数年前に巨大な熊が出て、畑荒らしをしたり人を襲ったりということはなかったもののあまりに規格外な大きさで危険だからということで、たしか射殺された気がする。
俺や桧が小学校低学年の頃の話だから、詳しくは覚えてない。
「ん……わかった…今日は諦める」
「今日はってなんだよ。明日も明後日も、行く気はずっとないぞ」
きっぱりと突っぱねたものの、桧は納得いってない顔だった。
…これは今後毎日誘われるんだろうな。
でも山菜が採れなくなったら、その時期は一緒に行こうとは言えなくなる。それまでの辛抱かもしれない。
「俺は毎日でも誘うよ!瑞がいいっていうまで!」
「お好きにどうぞ」
俺の後を追う桧を横目に見ながら、今日の夕飯を考えることにした。
なんとなく、魚が食べたいと思った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
4 / 7