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59にしおりをはさみました!
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59
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少し早いけど起きてしまったし、と顔を洗って歯を磨き部屋に戻ると携帯が光っているのが目に入った。
手にとって画面を確かめると、藤枝先輩から着信が入っていた。
(…先輩‼︎)
早くかけ直さなければと、焦りながら直ぐに発信ボタンを押した。
そして落ち着こうと深呼吸をして、先輩が電話に出るのを待った。
5回ほど発信音が鳴った後、はい、と先輩の声が聞こえた。
「先輩、おはようございます。」
少し緊張しながら挨拶をすると、先輩もおはようと返してくれた。
「さっきの電話だが…」
「はい」
「朝早くて悪いが、今から…西岡の部屋に行ってもいいか?」
「えっ⁉︎」
「…無理ならいいが。」
「いえ…‼︎無理じゃないです。大丈夫です!」
「そうか。じゃあ今から行く。」
そう言って、先輩は電話を切った。
「先輩…」
少し携帯を見つめてボーッとした後、急いで部屋着から普段着に着替えた。
ちょうど着替え終えた辺りで、ピンポーンとチャイムがなった。
僕は急いで玄関へ行き、先輩を迎えいれた。
先輩をソファに案内して、僕は紅茶を用意しようとキッチンに立った。
電気ケトルの電源を入れ、部屋に一旦戻ろうと向きをかえると、先輩が部屋の入り口からこちらを伺っていた。
「いつも悪いな。」
「いえ、大丈夫です。」
そう言って僕が微笑むと、先輩は僕の近くまで来た。
(頭を撫でてもらえるのだろうか…)
そう期待してドキドキしていると、先輩が手を伸ばして来て正面から抱き込まれた。
僕が顔を赤くして固まっていると、先輩は抱きしめたまま頭を撫でてくれた。
「西岡が寮に残るとは思っていなかった。」
先輩は頭を撫でていた手で僕の肩を優しく抱きながら言った。
「お話していなくてすみません…」
「それは構わない。……ただ、早めに帰って来ようと思う。」
「えっ…?」
「一週間帰省するつもりだったが… 3日にする。」
「えぇっ…!」
びっくりして少し体を離して先輩の顔を見ると、先輩は優しく微笑んでいた。
「帰って来たら、またここに来てもいいか?」
僕は先輩の笑顔に見惚れながら、はい、と返事をした。
そして、紅茶を飲みながら小一時間ほどいつものように過ごした後、また3日後に、と言って先輩は帰って行った。
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