アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
45 高橋sideにしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
45 高橋side
-
高橋side
帰った後みんな一回仮眠を取った。さすがに遠いから運転してた先生はもちろん、坂崎も俺も体力がなくて車の中でも爆睡だった
坂崎はまだ部屋で寝ていて、他はご飯作りとか風呂入ったりでばたばたしてからようやく落ち着いた頃にずっと気になってることを聞いてみることにした
「先生、引っ越した後はどうするんですか?」
コーヒーを飲みながらテレビを見ていた先生はこれを飲み終わったら帰るらしい
「仕事探さないとな。さすがに働かないといけないだろうし」
「あー…そうですよね。俺アルバイトしか出来ないからあんまりお金貯まらないだろうな…」
四人だから先生と桜井さんが中心になって働くんだろうけど、両親が常に家にいることが滅多にないからそう考えるとなんだか落ち着かない、かも
「高校生はまだ学業に集中するときだ。バイトはしなくていい」
「え、いやいや。一緒に住むんだったら俺もバイトしますよ」
「高橋君は真面目だね。だけど君たちはなんて言うのかな…学校生活をちゃんと楽しんでもらいたいんだよね。高橋君は楽しんでたかもしれないけど、坂崎君はあまり知らないだろうからサポートをして欲しいかな。お仕事とお金のことはこっちに任せて」
「…でも」
両親は海外に行ってまで働いてるのに…大丈夫なのか少し心配でもあった
「四人で暮らしても問題ないからそんなに心配するな」
「俺もいざとなったらの貯金はあるし。本当に大丈夫だよ。楽しんでおいで」
「……ありがとう、ございます」
絶対、大学生になったらバイトしよう。そう決めた。こんなに良くしてもらって何も返さないままは…嫌だ
「あ、坂崎君。起きたんだね、具合悪くない?」
「……大丈夫、です」
そう考えていると坂崎が起きてきた。桜井さんと先生が少し話すと大丈夫だと判断しつつ早速夜ご飯にする
「高橋君。西田君とはどうだった?」
桜井さんがそう聞くと坂崎がはっとして俺を見る
「これからも友達でいてくれる? って聞いたら当たり前って言ってくれました。俺のことすごく心配してたらしくて、今までにあったこと全部話したらさすがに混乱してましたけどそれでも理解して受け入れてくれました。引っ越しも、ちゃんと場所と日にち教えろって」
あとはほぼ徹夜でゲームしていつの間にか寝てましたと最後に伝えれば桜井さんは良かったと笑っていた
「いい友達だね。すごく高橋君のこと大事にしてるのが伝わってくる」
「…西田は俺のこといろいろ助けてくれるんです。坂崎の方に行くこと、勇気あるなって言ってくれたし。あ、先生と桜井さんによろしく伝えておいてって言われてたんです」
「…なんだか友達というより、母親だな」
「ふふ。それだけ心配してるんだね。高橋君もその子のこと大事にするんだよ」
「はい。坂崎、俺はこのまま坂崎のこと守りながら西田と友達でいる。それでも…いい?」
全部捨てたらダメだと言ってたし、きっと今の会話でわかってくれただろう
「……」
「相談も、実はしててさ。いじめられない可能性はないってことも言ったらなるべく一人にならないよう手伝うって。俺とクラスメイトの中間、みたいな感じになるのかな。だから相馬達のこと心配しなくても大丈夫」
そう言うとしばらく考えていたのか、反応はなかったけどゆっくり下を向いて頷いてくれた
「よし! やっとだー!」
俺の悩みはこれで全部解消した。後は学校行く日に気をつければ引っ越しまで坂崎は学校に行けるんじゃないか
「っ、えっと…」
喜んでいれば坂崎は少し困っていたけどやっぱり嫌だとは言わなかった
これだけでも進歩だと思う、考え直してくれてるのかな、俺のこと
そうだったら嬉しい。それに死にたいっていう気持ちも少しずつなくなって行けたらいいな
少し前に桜井さんに聞いたら死にたい気持ちはすぐには直らないらしい
「俺のこと、利用するって考えてくれていいよ。俺は俺で行くけどさ」
「…そこまではしない」
「少しずつね」
じゃあお風呂入って今日はお開きにしようと桜井さんは坂崎を風呂に行かせて俺と桜井さんは先生を見送りした
どうやら桜井さんはここに泊まるらしい
「この調子でご飯食べられるようになれたらいいね」
「あー…そうですね」
最初よりだいぶ食べれるようになったけど、普段食べてる量や物からはまだほど遠い
「…あの、桜井さん」
「ん?」
「俺、いつか坂崎と俺と西田君でゲームして遊べたらいいなって…思っちゃったんです。高望みしすぎですかね」
困ったように笑ったら桜井さんは目を見開いていた
「…ううん。すごくいい夢だと思う。素敵だよ」
「あはは。ありがとうございます」
叶えたいなら遠い夢じゃなくて、今いる俺達に出来ることがいい
もちろんこの四人でこれからやりたいこともいろいろ思い浮かぶけど、西田は一緒に行けないから
…ちゃんとお別れ、出来るかな。俺泣きそう
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
45 / 62