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6にしおりをはさみました!
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6
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「……何やってんだよ」
ひゅっ、と辺りの空気が尖るのが分かった。二人組の男は、その空気の矛先が自身らに向けられたものだと自覚している。
「今いいとこなんだけど、邪魔しないでもらえる?」
「せっかくオメガ喰おうってんのにさ」
ねえ?と、二人は顔を見合わせて得意げに笑った。
「……あ?」
不機嫌に歪んだ表情は、殺す勢いで相手を睨みつけている。
そして、その殺気の源が誰か気付いたところで、男たちはあからさまに動揺し狼狽えた。
「き、城島さん、違うんですこれは」
「このオメガが誘惑してきて、それで……!」
七生は違う、と首を横に振る。怖くて自分では何も言うことが出来ない。
七生の両手は小刻みに震えていた。
「“チョーカー付けてる淫乱なオメガ”とか、俺知らないんだけど?」
それにその服、と男は破かれてしまった七生のシャツを指差した。
「てめぇら、“俺の家”で非力なオメガ襲ってんの」
———怒気丸出しの声音。そして、その目はギラついて視線が針のように尖った。
その他とは違う荒々しい雰囲気に、完全に二人組は気押されていた。
「オメガは虐げられてなんぼでしょう!」
「ほら、よくアルファの性欲の捌け口だって言うじゃないですか」
酷い言われようだと、七生は心臓がズキズキ痛むのを感じた。自分の知らない外の世界では、アルファに完全に支配されているオメガが存在している。
その事実だけで、身体から湧き上がってくる不安があった。
「こいつも結局そうな———」
『結局はそうなるんだから』と、言いたかったのだろう。けれど、その続きは城島と呼ばれた男の蹴りで遮られてしまった。
男二人はぐぁ、と唸りながら、その場に倒れ込む。
「城島の傘下で甘汁啜ってやがるような連中が、調子乗ってんじゃねえよ」
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