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18歳以上ですか?
1年 2月にしおりをはさみました!
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1年 2月
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「聞いた?C組に男同士で付き合ってる奴らがいるんだって」
「聞いた聞いた、さすが男子校だよなー」
クラスメイトによると、放課後C組の2人がキスしているところを誰かが目撃した、らしい
教室内、ましてや学年内がその噂で持ちきりだ
………もし、万が一俺と桜庭が抱き合ってるような状態を誰かに見られたら、同じように注目の的、いや恰好の餌食になってしまうのか
…いや付き合ってないが
あいつがパーソナルスペースがおかしいだけだ
「なーお前らはどうなの?」
「え?」
突然矛先を向けられてドキリとする
「デキてるんじゃないの〜?」
「はぁ?誰とだよ」
多分、おそらく俺と桜庭の事を言いたいんだろうけど、何を言ってるのか分からないフリをする
「そりゃあ桜庭とだよ」
「しっ、詩音と俺は…友達やで、なぁ?」
急に会話に入ってきた桜庭は、いつもより何故かぎこちない笑顔で言った
「ぁ?ああ……」
明らかに変な態度を不思議に思いながら答える
「えーそうか?いつもお前ら距離近くない?」
「友達って感じじゃねえよな〜」
質問の答えに納得がいかないのか、やいのやいのと囃し立てる
なんだこれ、なんて言えば良いんだ?
そもそも友達なのは事実だし…
チラッともう1人の当事者を見ると、唇をきゅっと結び、まるでどうしようもなくて立ち止まった迷子のように、視線を下に落としていた
「さく
「もーなんやねん、みんなして〜」
心配になって呼んだ名前は、本人の声によって消された
さっきまでの表情が見間違いだと疑いたくなるほど、溌剌としたいつもの笑顔に戻っていた
「ん〜でも、確かに詩音とは友達じゃない気がするんよなぁ………」
うーん、とあからさまに悩んでいます、というように顎に手を当てる
やっと気づいたかー?とガヤの声
何を言い出すんだこいつ
「あ!分かった!詩音と俺は親友や!!」
ウキウキと発言を待っていた奴らが、バラエティに出てきそうなズッコケを見せた
「えぇー…??」
「もー、まあ桜庭がそういうなら、それでいっかぁ」
「あ〜分かったでぇ、さては羨ましいんやろ〜?」
そう言い席を立ったと思えば、後ろからにゅっと腕が現れ首にまとわりついた
「ぇ」
「でもダメやで?この子、俺のにゃんこやから!」
「猫じゃねーわ」
完全にいつも通りに戻って安心したせいか、思わず口元が緩み腕を解く為手首を掴む
………さっきのは、
脳裏をよぎると同時に周りからドッと笑い声が生まれ、あの表情についての思考は中断された
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