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ブラッディバースデー 5にしおりをはさみました!
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ブラッディバースデー 5
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素直に少年の存在を報告し、探すように上司に頼んだのだが。話はいつの間にか、俺の“課長への昇格”へとすり替わっていた。
非番だったうえにたった1人で犯人と戦い、事件を解決させたヒーローとして。犯人は死んだ、依頼者の家族も全員救えなかったというのに。
俺は何もしていない。全てあの少年がやったことだ、そうだろ?と声をかけても、腰抜けの同僚はあの場に少年なんていなかったと言い張った。
チッ、くだらない組織社会だ。腹が立つ。表彰され課長昇格祝いをしてくれたが、俺は抜け出して屋上へ。もう、雨は降っていない快晴。
俺、藤代柚樹は28歳手前で警察の1課長に就任。黒い傘を持った謎の美少年の存在は、時間の経過とともにあっという間に消滅。
もしかしたら誰かの犬かもしれない。警察に属さない、警察の手足となる従順な犬。だがあの子は、どう見ても子供。
脳裏にはっきりと焼き付いている、あの美しい少年。雨に濡れたカラスの羽根を思わせるような艶やかな漆黒の髪と、まっすぐ俺を見つめる同じ色の瞳。
あの時の俺は私服だったにもかかわらず、すぐに警察だと見抜いた。しかも犯人を斬りつけるなんて、何者だ?
あの子は武器なんて持っていなかった。持っていたのは黒い傘だけで、傘で犯人を殴ることくらいはできるだろうがそんなに威力はない。
なのになぜ、犯人はあれほどまでもボロボロだった?あの場に少年以外に、もう1人いたのか?そいつが犯人をやったのか?
少年も顔や腕にアザがあったり、犯人が持っていたサバイバルナイフで斬り付けられたような傷がいくつもあったが。
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