アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ブラッディバースデー 4
-
中学生くらいの男の子。俺の顔をジッと見つめると、ポケットから何かを取り出して突き出す。
「あなた、警察?これ発信機。さっきのやつ、ここにいるから捕まえて」
「は?発信機?いや、君……ちょっと待て、おい!おいっ!」
少年は俺の手に、画面の中で赤く点滅する四角い機械を握らせると立ち上がり走り去ってしまった。真っ黒い傘を持って。
その後、俺は手の中で光る発信機が示す場所へと、半信半疑で向かったが。まさか本当に犯人が、力尽きて倒れているとは。
右目を深く斬られていた、出血多量と。左腕の骨折、他いくつもあった切り傷や銃創で息絶えてしまっていた。
腰抜けの同僚――一喝して呼び出していた――に犯人を任せ現場に戻ると、依頼者の知り合いは死んでいた。前例と同じように、家族全員の首が斬られリビングは赤の世界。
ただ、1つだけ違うことがあった。俺が犯人を追っている間に、現場の家が火事になって燃え尽きてしまったということ。
誕生日は豪華な料理、主役の子供の好物をと母親が頑張っていたんだろう。時間もパーティーを始める前だったし、唐揚げとかを揚げていたか?
発火元がキッチンだったことから犯行時に着火してしまったのだろうと深くは調べられず。多くの犠牲者を出した連続殺人事件は、犯人死亡で幕を下ろす。
28回目のブラッディバースデー。それまでの27回と違うのは火事と、現場の違和感。
言葉にするには難しい、雰囲気的に何か異様なものを感じたんだ。あと、誕生日の子供が手にとんがり帽子を持っていた。自分は別のとんがり帽子をかぶっているのに。
それから、あの少年の存在。犯人を殺したのはきっとあの少年だ。発信機といい、あの少年がいなければブラッディバースデーは解決できなかっただろう。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
4 / 123