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拾ったのは黒い犬ですか?それとも腹黒い犬ですか? 1にしおりをはさみました!
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拾ったのは黒い犬ですか?それとも腹黒い犬ですか? 1
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ブラッディバースデーの終息から1年後。
「おかえり。やけに遅かったね、残業?」
黒い傘がしゃべった。
季節外れの雨が降る中、世間一般では深夜だと言われる時間。俺が住んでいるアパートの階段の前で、黒い傘を差した人が立ち上がる。
「あれ、もしかして僕のこと忘れた?ずっとそばにいたのに寂しいなぁ。ねぇ、今から晩御飯な感じ?僕、あなたが普段帰ってくる時間からここにいたからお腹が空いたんだよね。雨だから寒いし」
明るい声。傘の中からひょっこり覗いたのは、人懐っこそうに笑う美しい顔。コテンと首をかしげると肩からこぼれる漆黒の髪。
小さい子供のように傘をクルクル回しながら、唖然とする俺を映す漆黒の瞳。
「おっ……お、お前っ!あ…………チッ。あー、家に上げてやりたいけどな、お前の正体がわからないうちは警戒したい。意味、わかるな?」
大きな声を上げそうになって、今の時間帯を思い出して手で口を塞ぐ。冷静になれ、俺。
恋人や嫁に「おかえりなさい」と迎えられるのを夢見ていた。夢が、音を立てて砕け散った気がする。俺は断じて、男に「おかえりなさい」と笑顔で迎えられるために身代わり残業をしたんじゃない!
1日たりとも忘れることができなかったさ。あの日の出来事も、俺の目を……心を奪ったこの美少年の存在を。
「わかるわかる。僕ってものすっごく怪しいからね?でも怪しい者じゃありませーん。僕のこと話すからさ、このかわいそうなワンコを拾ってよ?藤代柚樹、刑事部捜査一課課長さん?クスクスッ」
こいつ、俺のストーカーか?警察の犬なんかじゃなくて、ヤバいやつなんじゃあ……
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