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雨は降り続く １にしおりをはさみました!
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雨は降り続く １
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出会いは５年前、殺人現場。
返り血を浴び黒い傘を持った少年に、今思えばあの時から心惹かれていたんだと思う。
不思議で美しい少年だった。それで終わればよかったのに。再び出会った。それも、少年の方から俺を求めて。
冷たい雨が降る夜、薄っぺらい笑顔を張り付けて「飼い主になってねっ」と言った。この世界を生き抜くために身に着けた人懐っこさ、けれど本当の愛を知らない。
生きるために、優秀であるために身に着けたたくさんの知識、技。欠落していたのは、少年○○君の“個性”と“欲”だ。
それを、俺が彼の飼い主になった日に感じた。一緒に過ごす日数を積み重ねていくうちに、他の感情も感じてきた。
視線を合わせ、言葉を交わし、温もりに触れるほどに、強く惹かれていく。高鳴る心臓、火照る体。
ミナギが愛おしい、と。
血のつながりはなくても俺の甥っ子として、家族愛だと思ったのに。思い込んでいただけで、今やっと、違うのだと白状した。
俺は、ミナギが欲しい。ミナギの心も、体も全て。
それはまるで麻薬のよう。１度触れてその心地よさを知ってしまえば、どんどん強く欲してしまう。我慢ができない。
ミナギは？彼はあの後、震える声で「明日の夜、本当の僕を教える」と言ってスルリ、腕の中から逃げた。
彼と視線を合わせることも、言葉を交わすこともなく１日をやり過ごす。会話をしたのは、殺し屋の雇い主の警察官をあぶり出したと、ミナギから報告を受けた時だけ。
苦しい。心臓をイバラで巻かれているみたいだ。目を合わさず笑顔さえ見せない彼に触れたかったが、逃がしてしまう。彼は今、俺の本心と向き合っているから。
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