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18歳以上ですか?
36にしおりをはさみました!
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「真紘、お前気になる人でもいるのか?」
「えっ、あー、えーーーっと」
「いるんだな」
そんな質問を不意にされ、俺は挙動不審になってしまった。
そこを見逃さないのが幸だ、10年以上一緒にいる ものだから俺の行動1つで幸にはバレてしまう。
幸はそんな俺をビール片手にニヤニヤしながら俺を
見ている。
まるで、『次はお前の番だ。さあ話せ』と言わんばかりに無言の圧を感じる。
(さっきまでしおらしくしてたくせに…っ)
このサディストめ、と思いながら、俺は重たい口を
開いた。
「まだ…分からない。
さっきお前が昔髙橋に抱いた感情が、あったけど全てが当てはまるとも言えない
だから、俺の悩んでいるこれは恋…とは違う気がする」
幸が髙橋に抱いた感情、それは【嬉しい】 【楽しい】、【もっと知りたい】
確かに俺があいつに思う感情は同じものがあるが、
だけど…はたしてそれは本物の恋、と言えるだろうか?
「拗らせすぎだろ。
あのな俺が藍里に思った事がお前の相手にも当てはまればイコール恋とか思ってるだろ?」
「違うのか?」
「馬鹿違うよ。確かに似たものはあるかもしれないけど、正解なんてないんだよ、相手を思う気持ちの形は
人それぞれなんだから。」
人それぞれ、だから俺があいつに思う気持ちは…?
「よく考えろよ」と言い、幸はビールを一気に飲み干し、メニューを開いて目線を外す。
幸との話に夢中で、悠都への返信をするのをすっかり
忘れているのに気づかずに。
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