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神託の間にしおりをはさみました!
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神託の間
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真ん中を魔王と私、前を教頭、後ろをアル君が挟み黙々と歩き続ける。
その間、会話という会話が無い…本当に黙々と歩くだけ。
魔王はチラチラ私の方を見てくるけど、時々目が合うと何か用か?って聞いてくるだけだし。私も魔王とは直ぐに別れる予定なのであまりコミュニケーションはとらないように気をつけてる…が、右手で握る魔王の小さな手に少しばかり母性がくすぐられているのは気のせいだと思いたい。
神託の間というのはそれ程遠く無い場所にあった。
ちょうど先生・騎士の宿舎と商店街に挟まれる場所にあった。
俗に言う、教会の様な外観で神様降りてきますよー。って雰囲気に教頭に聞かなくても目的に着いた事が分かった。
教会…神託の間の前には門番なのか西洋甲冑に似た物を着込んだ騎士が2人たっていた。
「ワイアット・カーライル及び3名の謁見をお願いしたい」
おお、知らない内に教頭の名前をゲットした。
教頭が名を告げると、話しかけられた騎士がチラリと此方を見、カチャンと目の部分を上にあげ中の人の部分が見えた。
……青い目で垂れ目さんだ!垂れ目!
1人歓喜している中、垂れ目さんが反対側にいる騎士に目配らせし、無言の指示を受けた騎士は直ぐに中に消えていった。
「神官長様へ確認に向かわせたので少しお待ちください」
垂れ目さんはそう言うと、目の所を下に戻してしまった。
もう少し見ていたかったが…残念すぎる。
垂れ目騎士の名前も知りたい所だけど、後ろから殺さんばかりの殺気を飛ばしてくるアル君が居るもんだから喋る気力も無い。
それに知らない人から急に名前を聞かれても、失礼なヤツだと思われるだけだろうしね。
自重自重。
ーーくいっ
私が1人で思考にふけっていると、右手を魔王が引っ張った。
「ん?どうした」
そう尋ねて魔王と視線を合わせると、さっきまで我関せずな雰囲気だったのに反して表情が嫌そうにしかめられていた。
「…僕はここに入りたく無い」
本人も言いたくは無かったのか、入りたく無いと言った後に眉根を寄せていた。
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