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瑞希と俊太にしおりをはさみました!
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瑞希と俊太
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…いろいろ考えとったけど、
多目的室に着く頃には、俊太はずっとソワソワと落ち着きがなくて、緊張ともまた違う感じがして。
どしたん?って聞いても「何でもない」の一点張り。
そのままメシも食べ終わってしまって。
なお挙動不審になる俊太に見かねて近寄った。
「なあ…ほんまにどないしたん俊太?」
「っ、ち、近い…!」
「だって話してくれんやん。何かあんねやろ?」
「…そ、れは…、」
「…言えんこと?エエなら話してほしいんやけど」
「違く、て…その…っ」
「なに?」
つい詰め寄ってもたら、「う…」と唸ってから観念したみたいで後ろ向いてカバンをごそごそと漁り出した。
で、振り返ると赤い顔を思いっきり逸らしながら、
ちょこんと両手に乗せた袋を差し出してくれて。
「……こ、れ…えっと…友チョコってのもあるらしいし…べ、つに…変な意味はない…けど!
……世話になってるから…その………ッ、やる…!!」
「………」
ぽかんとしながらもその袋を受け取って、紐を解いて中身を取り出す。
それは、少しいびつな形のチョコクッキーやった。
「っ…べつにひ、暇だったから作った、だけだからな…な、何回も作り直したりしてねぇし…上手に焼けたのがこれだけだった訳でもねぇからな……!!」
かなりテンパってるらしい俊太からは色んな情報がだだ漏れてきて。
なんや、笑みやら涙やら愛しさが込み上げてきた。
「…ふはっ、涙出るわ…あーおかし…」
涙を拭ってると、俊太は嫌がられたとでも思ったんか少し悲しそうなカオをしてもて。
「あーちゃうねん、ごめんなぁ、」
「…手作りとか無理なら、いいから…」
「ちゃうって。…なんや、嬉しくてなぁ」
「……」
取り出したクッキーを口に含む。
それから腕を引き寄せてぽすん、とあぐらの上に抱き込み、肩に乗せさせた頭をぽんぽん撫でる。
ぐす、と鼻をすする音が聞こえて強く抱きしめた。
「…頑張ってくれてありがとう。美味しい。」
「……ん」
「嫌な訳ない…めっちゃ嬉しい…ありがとう。」
「………なら、良い。」
肩口では俊太がくすっと嬉しげに笑う気配がした。
ーーーさて、俊太も落ち着いたようやし…
クッキーの袋にそっと紐を結びなおす。
あとで、大事に食べたいから丁寧に横に退けまして。
「……おい、」
「ん、どないしたん?」
「……ぁ、当たってんだよばかっ!!」
「だって俊太かわええんやもん。」
「はぁあ!?」
そのまま騒ぐ俊太をゴロンと寝かして、手をついて上に覆い被さった。
「俊太…大好き。…な、シたい…ヤろ?」
「……ッ、ずりぃんだよ、あほぉ…」
真っ赤に染まった顔を手で覆い隠す俊太やけど、
嫌がる素振りは見せんくて。
…これは、いいってことやんな……?
………やばい、嬉しい。
溢れ出す興奮を抑えながら、そっと額にキスをした。
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