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18歳以上ですか?
試練?にしおりをはさみました!
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試練?
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マコト宛に果てしなくスタンプを連打しているとカチャっと扉が開いた。
ケータイから視線を上げて壱也さんを見れば
「おかえりなさ、い」
固まる俺。
それから、ただいまと微笑む壱也さん。
凝視する先はもちろん壱也さん。
頭からタオルを被って髪を拭いているんだけども、
何故か半裸・・・
…いや、たぶんていうか暑いからだと思うけどね!
お風呂上がりですからね、普通だよね。
わかってるよ。
でもですね。
一瞬で脳みそ沸騰しました。
グラグラと煮え立っています。
均整の取れた身体に、余すことなく綺麗についた筋肉。
割れた腹筋に厚い胸板。
正直なところ目のやり場に困ってしまった。
チラリと視線を向ける先には惜し気もなく晒される肢体があって、うん撃沈。
シュウウウっと湯気が出てる気がする。
だって見れないだもん!
何でか恥ずかしいんだもん!
心の中でひいひい悲鳴を上げていると水が入ったペットボトルを持って壱也さんが俺の隣に腰を降ろした。
盛大に揺れてしまった肩に情けなくなる。
チラッと壱也さんを見れば綺麗に鍛えられている身体が目に入って、うん、再び撃沈。
真っ赤になって俯いていると髪を撫でられて、ちょっとだけ顔を上げると水も滴るいい男な壱也さんと目が合った。
「まだ濡れてるな」
「あ、忘れてた」
「ちょっと待ってろ」
そう言って壱也さんは扉の向こうに消えていった。
何だろって思っていると壱也さんは手にドライヤーを持ってすぐに戻ってきた。
もしかしなくても髪を乾かしてくれるらしい。
ドライヤーをコンセントに繋いで壱也さんがスイッチを入れた。
どこか楽しそうなのは気のせいだろうか。
あったかい風と一緒に壱也さんの指が髪を優しく梳いていく。
さっきの変な恥ずかしさは消えたけど、これはこれで気恥ずかしくて目を伏せていた。
カチッと音がして風が止まった。
乾かし終えたのがわかって、そっと目を開けると同時。
唇に柔らかい感触。
目の前には整った顔があって、文字通り固まってしまった。
チュッという音とともに唇が離れると壱也さんの目が優しく細められる。
その瞬間、一気に顔が真っ赤に染まった。
「…っ!!」
「お前ほんと可愛すぎ」
目を見開いて固まる俺に壱也さんは更に追い打ちをかけるように乾かしたての髪にキスを落とす。
更に赤く染まる顔を見て壱也さんはふっと笑みを溢した。
こんな甘い行為に慣れていない俺の心臓は激しく脈打っていて、このまま死んでしまうんじゃないかと本気で思ってしまった。
「そろそろ寝るか」
そう言われて時計を見ればいつの間にか1時近くになっていた。
髪を乾かしてもらった後も、さすがに並んではしてないけどお揃いの歯ブラシで歯磨きしたり、壱也さんが服を中々着てくれなかったりと俺の心臓は落ち着く暇もなかった。
しかし最大の試練が待ち構えていることにやっと俺は気付いたのだ。
壱也さんに続いて寝室に入るけど、だんだんと緊張感が高まってくる。
だって壱也さんの家には客用の布団はないってさっき言われたから。
必然的に一緒に寝ることになるんだけど。
あまりにも高いハードルに最早挫けそうになっていた。
先にベッドに腰掛けた壱也さんに更に緊張は募る。
おいで、というように壱也さんが自分の隣をポンポンと叩いた。
おずおずとそこに腰を降ろせば、壱也さんがちょっとだけ眉を下げて笑った。
「そんな固まんなよ」
「…え?」
言われて初めて自分の身体がガチガチに強張っていたことに気付いた。
そっと頭を抱き寄せられて、逞しい腕にすっぽりと包まれた。
壱也さんのシャンプーの匂いが鼻をくすぐってトクンと心臓が波打った。
「あんま身構えられると逆に襲いたくなる」
壱也さんの言いたいことがわかって全身真っ赤に染まった気がした。
正直なところ俺の疎い頭ではそんなハイレベルなことまで考えてなかったです。
壱也さんと同じベッドで寝るということだけでいっぱいいっぱいでした。
なんて、心の中で壱也さんに謝ってみるけど、緊張の源が増えてしまった。
俺を抱きしめたまま壱也さんは動かない。
抱き寄せられた頭がちょうど壱也さんの胸のとこにあって壱也さんの心臓の音が耳にリアルに響いてくる。
トクトクと脈打つ鼓動がちょっとだけ早い気がした。
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