アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
我慢にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
我慢
-
必死になって声を振り絞ると、ようやくキスの雨が止んだ。
「…ごめん、薫」
「あ……」
離れた拓斗はやっぱり少し悲しそうで、俺の胸もぎゅっと締め付けられるように苦しくなる。
「我慢、できないんだ…。薫が目の前にいるってだけで、薫のこと欲しくなって……」
拓斗の目は嘘を言っているようには見えなかった。
純粋に、ただ俺のことが好きで、俺に触れたくて、我慢ができなくて…。
俺だって、嫌がってはいるけどやっぱり触られるのとか嬉しいから、なんか、拓斗のそんな気持ちもわかる。
「ごめんな。服、着よう」
「………」
何も答えない俺に、拓斗は優しくゆっくりと、壊れ物を扱うように服を着せていく。
本当は俺も我慢ができないんだ。
拓斗に触れたくて、拓斗を抱きしめたくて、拓斗にキスをしたくて、温もりを、体温を感じたくて…。
「俺ちょっと出かけてくるから、山木呼んでくる。なんかあったら山木に言えよ?すぐ帰ってくるから…」
「…わかった……」
本当は行ってほしくなかったし、そばにいてほしかった。
でもそんなこと言ったら迷惑かけちゃうし、そんな期待させるようなことは、まだ言えない。
部屋を出て行く拓斗を目線で見送って、しばらくすると山木が部屋に入ってきた。
「城田、大丈夫か?」
「ああ…まあ、なんとか……。悪い、寝てもいいか…?」
「あたりまえだろー。俺適当に本読んどくし、ちゃんと眠れよ」
「さんきゅ…」
答えたのとほぼ同時に、朦朧とした意識の中、俺は眠りに落ちて行った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
28 / 80