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#2-26にしおりをはさみました!
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#2-26
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智の実家に着くと俺は奏花を抱いて車から降りた。
“ただいまー”
“ただいま帰りました”智の後に続いて家に入る。
“まぁ…パパ”蒼大が走って玄関まで走って出迎えてくれた。
“蒼大…危ないから…”後ろから智のお母さん、つまり蒼太のおばあちゃんが蒼大を迎えに来て抱き上げる。ちなみに智の両親も男性同士の結婚だ。
“ばっばぁ…”ペチペチとお義母さんの頬を蒼大が叩く。
“こら、蒼大ばぁばが痛いだろ?”
“ばっば…たいの?(痛いの?)”
“そうだね…痛いかな…”
“ばっばなでなで”さっきとは反対に優しく頬をなでている。
“ありがとう…蒼大…あ、智、裕樹くん、入って入って”蒼大を抱き上げたまま手招きをしてくれる。
“おじゃまします”
“裕樹さん奏花落とさないでくださいね”
“わかってるって”そんな会話をしながら長い廊下を歩く。
“智、裕樹くんお帰り”智のお父さんがソファに座って見ていた新聞から顔をあげてニコリと微笑んでくれる。定年を超えた今もなお形成外科医として働いている。老眼鏡を外しては俺に手を伸ばしてくる。
“奏花ちゃんおいで”
“駄目、先にお母さんが抱くんだよ”
“そんな…”智の実家でも一番強いのはお義母さんだ。奏花をお義母さんに渡す。そんな様子をお義父さんは涙目で恨めしそうに見ている。
“さすが新生児は小さいね”子育て歴三十八年の大ベテランのお義母さんが嬉しそうに抱っこしている。
“母さん…僕にも…”
“やだ”ぷいと横を向くお義母さん。
“…良いよ…僕には蒼大が居るからね”お義父さんが蒼大を見るも蒼大は智に甘えるのに必死だ。あからさまに落ち込んでいるお義父さんを慰めるのはもちろん俺だった。
“お義父さん…そういう時もありますよ…”
“うっ…そんなに優しいのは裕樹くんだけだよ”嘘泣きをしているお義父さん。
“あー、もうはいはい”お義母さんが諦めて奏花を渡す。
“…!良いのか…?ありがとう、母さん”ニコニコしながら奏花をだくお義父さん。智の家族は本当に素敵だ。その一員になれたことを誇りに思っている。
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