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馬葉霧明という後輩にしおりをはさみました!
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馬葉霧明という後輩
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そういえば俺は馬葉霧明のことを全く知らない。
部活は何に入っているのか。どこに住んでいるのか。誕生日はいつなのか。趣味はなんなのか。
その他もろもろ。
あれから霧明が全く来ないので、二年生の教室の廊下にまた来てしまった。
来なくなった理由だけはなんとか聞きたい。
すると、あの日霧明と一緒にいた二人と女子一人に会った。
「あ、白織先輩!霧明に会いに来たんですか?」
「あー…うん。そんなところ。…ところで霧明は?」
「あー…あいつ結構、単独行動なんで…。今あいつがどこにいるのか俺らも知らないんですよ」
なるほど…。友達はいるけど一人で行動するのが好きなのか…。
「私が『どこに行くの?』って聞いても『内緒』っていつも言うんですよ」
霧明の友達であろう女の子が言った。
「あいつって謎だよなー」
三人ともうんうんと頷いている。
「じゃあ、君たちも霧明のことをあまり知らないのかい?」
「もう全然ですよ!家がどこにあるのか知らないし、兄弟とか全然わかんないし!」
「中学時代の話とかもしてくれないんですよ」
とにかく馬葉霧明という後輩は自分のことをあまり知られたくないらしい。
ますます霧明のことが気になった。
「俺、あいつのこと好きですよ?優しいし、一緒にいて楽しいし、いい奴なんです。…ただ、」
「ただ?」
「……俺たちに対して、ちゃんと心を開いていないと思うんですよね。なんか…こう、深く関わってくれないというか?」
「私たちに対してなんにも教えてくれないしね…」
「一線を引いてるんですよねぇ」
「そうなんだ…」
この三人と話して、霧明という後輩が今まで以上に気になった。
あいつには何かあるのかもなぁ…。
実を言うと、俺と霧明は学校内で時々会っていた。まぁ、会ったというよりすれ違うだけなんだが…。
ただ、俺は最近少し腹が立ってきた。
霧明は俺に気がついても無視をする。
こっちから挨拶をしてもさっさと逃げてしまう。
やはり俺は嫌われているのだろうか。
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