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過去 家族 11<波留編>にしおりをはさみました!
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過去 家族 11<波留編>
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「…海咲さん、早く。兄さんが帰ってきたら元も子もない…」
そう言う波留を海咲は涙を流しながら、きつく抱きしめてくれた
「絶対、波留くんも助けるから。…雅稀も」
涙を拭うと最後に笑顔を見せて、海咲はふらつく足取りで玄関の戸を開け出て行ってしまった
(……行っちゃった。)
波留はその場に腰を抜かすと、兄が帰ってきたらの事を考えた
(海咲さんは、きっと助けてくれる…大丈夫。)
***
夜になり辺りが真っ暗になった頃、兄は帰ってきた
「ただいま、波留。」
少し機嫌が良いのか、楽しそうな声のトーンに安心し、それと同時にとんでもない緊張に身を強張らせた
「お帰り、兄さん」
波留は、玄関まで駆けて行き兄に飛びつく
「…?波留、今日は素直だね。そんなに寂しかったの?」
波留の腰に手を回しながら、嬉しそうに微笑む兄に黙って頷いた
「そっかそっか…、素直な波留も可愛いね。」
波留の頭を撫で、兄が唇をやんわりと重ねてくる
(…海咲さんが何とかしてくれるまで、時間を稼がなくちゃ)
波留は兄の顔を固定し、もっと濃厚なキスを求めた
「…んぅ…っはぁ…ぁ…にいさ…ん。」
熱い眼差しを向けて、兄の名前を呼ぶと、兄はある事を提案してくる
「…ん、波留。…今日は海咲も混ぜてあげようよ。面白いものを買ってきたんだ。」
(ダメっ‼︎…兄さん‼︎海咲さんを探したら)
波留は無我夢中で兄さんのシャツを引っ張ると上目遣いでねだる様に言う
「今日は兄さんと2人で、ヤりたいんだけど…ダメ?」
それに少し揺らいだ兄だったが、波留の頭を撫で海咲探しへと戻った
「海咲ー?…何処だ海咲ー?」
彼はもういないから、返事は帰ってくるはずもない
(もぅダメだ。……終わった。)
波留はその場にへたりと座り込み、絶望した顔をすると兄が此方を向いて険しい顔をした
「…波留、海咲は何処。」
兄の問いに黙って首を横に振る
「…………波留。」
顔がどんどんと暗くなり、波留を物凄い眼光で睨みつけてきた
「…し、しらな…ぃ。本当にしらない…」
波留は自分を守るために小さく縮こまって兄さんに向かって言うと、兄は勢いよく波留を押し倒し首輪を強く引いた
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