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八城は変なやつにしおりをはさみました!
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八城は変なやつ
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俺のこと可愛いって言った?
「なっ…あんた何言ってんの?」
「そない照れんでもー!可愛いで?」
こいつはおかしい。
関西から来たからとかそんなんじゃない気がする。
こういうやつ嫌いなのに、なぜか八城だけは違う気がした。
「千鶴って呼ぶわな?俺、呼び捨て派やねん」
そんなの知らねぇよ。
「どうぞ、」
「ていうか千鶴、今のままでええと思うで?上位やし。」
本当にそうならなんでお前がいるんだよ、
「まぁそしたら俺は用無しやもんな。親は厳しいねんな」
その言葉にぎくっとした。
なんだか見透かされてる気がしたからだ。
親のこと、多分知らないんだろうな。
あの親父が暴力ふるいまくってるやつなんて思いもしないだろうに。
「その傷…どないしたん?」
急に優しい目で俺の頬の傷をなぞる。
これはもちろん親父にやられたものだ。
「別に、ぶつけたんだよ。」
「あかんで、べっぴんさんやのに」
「わかってるよ」
やっぱりぶっきらぼうな返事になる。
そうだ、いくら他の奴らと違うからって信じちゃダメだ。
「なんて、親父にやられたんやろ?」
妙なところっていうか肝心なところっていうか細かいところまでも気付く。
今の俺にはそんなの邪魔だ。
「違う、ぶつけたんだよ。さっき言ったじゃん」
「嘘はようないよ?だってあきらか誰かに殴られた感じするし。」
「そうだよ、親父にやられたの!いつものことだし、もういいだろ」
「いつものこと?いつもそんなことされてるん?」
結局こいつも周りとなんや変わらない。
そうやって心配した素振りを見せた。
ていうか、聞いてどうなんの?
どうにかしてくれんの?
それできてから言ってほしいんだけど。
イライライラして、うざったい。
「ふぅん…見たところ金持ちのボンボンやおもてたけどちゃうねんな。まぁそんな根掘り葉掘りはきかんことにするわ。」
「当たり前だろ…そんなこと聞いても暗いだけだし」
そんなことを無邪気さで誤魔化せるほど俺は出来てないし、子供じゃない。
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