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赤い舌*にしおりをはさみました!
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赤い舌*
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「ちょ、航太。ティッシュとか持ってな………………え……?」
突然のことに、俺は驚いて固まる。
俺の指を、航太の赤い舌が、舐めていた。
「こ、こうた………!?汚いから、やめろって………っ!」
垂れていたソーダキャンディーが綺麗に舐めとられる。
全て舐め終わってからも、航太は俺の指を舐めるのをやめない。
「………っ……ふ……。」
それどころか、指と指の間にまで赤い舌が滑り込み撫でるように舐め始めるから、俺はこそがしくてなんだか変な気分になって思わず口から息が洩れた。
いつの間にか航太は俺の指を舐めているほうの腕をガッシリと掴んでいて、手を引こうにも引けない。
どのくらい時間がたっただろうか。
もしかしたらそれは実際には1分にも満たなかったかもしれない。
でも俺にとってはすごい長い時間だった。
「んっ……ふ………こうた……いい加減、指ふやける………っ」
俺がそう言うと、さすがの航太もパッと舌をその綺麗な唇にしまい腕を離した。
「……悪い。」
航太が俯きながら謝る。
掴まれていた俺の腕はほんのりと赤く航太の手形が残っていた。
なんでこんなことしたの?
もしかして航太も俺と同じ気持ち?
聞きたいことは山程あったけど、俺の口からは何の言葉も出なかった。
そのあとの帰り道はお互い無言。
航太は何か言いたそうにしていたけど、結局なんにも言わないまま俺の家に着いた。
「………ん。」
航太がずっと持っていてくれた重たい俺の買い物袋を俺に渡す。
「あ……りがと……。」
俺はお礼を言った。
声が震えていたかもしれない。ていうか、絶対震えてた。
「……じゃあな。」
その一言だけを言って航太は帰っていった。
その時の俺は自分のことにいっぱいいっぱいで、航太が苦しげな表情をしていることに全く気づけなかったんだ。
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