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18歳以上ですか?
15にしおりをはさみました!
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15
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広い重役フロアを1人で堂々とド真ん中を歩く。
この絨毯、フッカフカだなあ。靴のまま歩くの勿体無いな。何飲もうかなぁ~。社内にカフェ入ってるなんてめっちゃオシャレだよなー。恋人とかいて、俺の会社、社内にカフェ在るんだよ。なんて言ったら、えー凄い!!とか言って貰えんのかなー?
.................. 。
【恭司、俺の勤めてる会社、社内にカフェ在るんだよ。】
【あぁ、知ってるよ。私もよく利用するからね】
.................. 。
何しとんじゃっ!!と壁に頭をゴンゴン打ち付け、そのままプシューっと静止する。
......ダメだもう立ち直れない。
自分の馬鹿さ加減にほとほと嫌気が差してきて、足早に常務室を目指し、程なくして着いた常務室前でふぅと気合いを入れる。仕事だ仕事。しっかりしろ。
コンコンと扉をノックすると、中から 「誰?」 と雅臣の声が聞こえ、相原です、今宜しいでしょうかと声を掛け扉の前で待つ。
「アイハラぁ?......何だ、凪じゃん。」
訝しげに扉を開けた雅臣が自分の姿を確認するや否や眉間のシワを取っ払うのを見て思う。
自己紹介したじゃん。名字覚えてないのかよ。
ってか、ノックへの返事、誰?って、家かっ!!
本当にあの恭司専務の弟かよ。と今度は凪の眉間にシワがよった。
「んな恐い顔すんなよ。ちゃんと覚えたよ。相原だろ? てか、今度から俺の所来たら、凪ですって言え。」
悪びれもせず、サラッと自分の要求を突き付けてくる雅臣に凪は返答せず白い目を向けると、さっさと用件を終えようとする。
「...こちらの書類を恭司専務から預かって参りました。では、失礼致します。」
にこりともせず、用は済んだと会釈をして、くるっと背を向け踵を返そうとしたら、
「 おいおい、折角来たんだから寄ってけよ。」
............。
聞こえなかった事にしよ。
そう心に決め無視を決めこみ歩く体勢。でも身体は動かなかった。ガッシリ肩を掴まれたから。
「 おい、寄ってくよなぁ?凪?」
振り返り見上げた雅臣の片眉を上げた悪っい笑みを見て一瞬で固まった。
!? ひいぃぃぃぃっ!! もしかしなくても怒ってらっしゃる...?
「......っ、あ、あの、大変恐縮なんですが、まだ専務の使いが有りますので.....。」
そうビクビクしながら雅臣に断りを入れると、
「......使いってなに?」と訝しげに聞いてきた。
...えっ? 何この子、お使いした事ないの?マジでっ!? プププッ、ダセえ。お坊っちゃまはこれだからやーね。
「 お使いっていうのはですね、頼まれた用件を迅速、且つ正確にこなす事ですよ。...あ、ほら、
専務に頼まれて、雅臣常務に今私が書類を届けたじゃないですか? これもお使いです!」
内心で雅臣をかなり小馬鹿にしなが説明し終えると、ドヤ顔顔で仰ぎ見る。
「 .........へぇ、......で? 」
......えっ?何、今の説明で解んなかったの?
ちょっと、この子図体ばっかりスクスク育って
頭の中身スッカラカンじゃない...。ヘチマだ、ヘチマ。
どこぞのお母さんの様な毒を内心で吐きながら、これ以上噛み砕いた説明は難しいと凪は考え込んでいたが、うんうん唸っている凪に痺れを切らした雅臣が、
「 おい、幼稚園児でも解るような事を然もドヤ顔で口上タレてたけど、俺が聞きてーのは、おまえが兄貴に何を頼まれたかって事!」
日本語解るか?と呆れ顔で言われて目をパチクリさせて固まった。
.........。ニホンゴ、チョットムズカシイヨネ。
「...あぁ、ですよね!冗談ですよ、冗談っ!はははヤダなぁ!............。」
笑って誤魔化そうと雅臣を見るも全くの無表情。
「.........カフェで飲み物を買ってくる様に言われました。」
見つめたまま静かに聞かれたことに答える。恥ずかしいし怖いしもう帰りたい。
それなのに雅臣は「あっそ」と言ってニヤリと笑うと、そのまま待ってろよと付け足し常務室の扉を開け放したまま中へ入って行く。
.........え、何??
出来れば今のうちにとっとととんずらしたいが、怖いからそれも出来ない。訳が解らないまま、チラッと室内の雅臣に目をやると、徐に何処かに電話を掛け始めた。
「あぁ、俺だ。常務室まで持ってきてほしい。いや、直ぐじゃ無くていい。」
兄貴何飲むって?と聞かれカプチーノと答える。おまえは?と聞かれ、何が有るのかメニューを知らないので、じゃあ同じので。と渋々答えたら、「じゃあカプチーノ3つ」と電話の向こうに伝えていた。
............本当に何なの?電話の相手誰?
......ハッ!?まさかっ、槇野さん!?槇野さんに頼んだんじゃ....。どーしよー!!!!
2階のカフェは内線一本で届けてくれるのだが、それを知らない凪は雅臣が飲み物を持って来る様言ったのは、槇野であることが濃厚と勝手に決めつけてもはや泣く寸前だ。
「 飲み物はここに直接届くから、......寄ってくよなぁ?」
ニヤリとまた悪っい笑みで聞かれたが、もう
はいと言うしか選択肢が無かった。
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