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18歳以上ですか?
19にしおりをはさみました!
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19
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...恭司専務どこ行ったんだろ。下に降りられてたら広すぎて探しようが無いよ。
凪は当てもなく恭司を探し始め、重役専用エレベーターを見つめ階下に降りるか迷っていると、向こうから槇野が来るのが見えた。
......げっ!鉢合わせたら入力業務やってないのバレる! どうする?乗る?
オロオロと槇野とエレベーターを交互に見ていたら、バチッと槇野と目が合った。
.........あ、.......オワッタ。...死んだ。
これから受けるであろう槇野の嫌味と言う名のブリザードに持ち堪えられる気力は既に無いので、出来れば遠慮願いたい。
「 ..........お疲れ様です。」
定型文な挨拶をすると、「疲れる程の仕事はしていませんよね、相原さんは」とにっこり作り物の笑顔を向けられそう言われた。
...やっぱりね。言われると思って構えてましたよーだ!
「今朝頼んだ仕事は終わりました?」
.........いえ、全然。
とは言えないから、えっと、ボチボチですとサラッと嘘を吐くも嫌な汗が滲みでてくる。
「そう、よかった。」と然も興味なさそうに言われ内心ホッとしていたら、
「そんな事はどうでもいいとして、そのお顔、どうなさったんですか?酷いですよ。」
聞かれて咄嗟に目蓋を押さえる。
うぅぅぅっ、鏡みて確認してないから解らないけど、パッと見で分かるほど、腫れてんのかよ...
「......あの、...ちょっと、」
言葉を濁すと、そうと槇野は小さく呟き、「あぁ、貴方が原因で専務はあんな事仰ったのね」と合点がいったとばかりに頷いた。
専務!?
「 あのっ、専務に会われたんですか!?どちらにいらっしゃるか、知ってたら教えて下さい!!」
弾かれた様に槇野に詰め寄り懇願する。そんな凪の必死な様子を見て槇野はまたにっこりと作り笑顔を貼り付け何も答えない。その顔にはファイルを抱え扉の前で佇んだ時と同様、知っていても教えません。とハッキリ書いてある。
またかよ!!っとに意地悪だな!くそっ、パンツ穿け、パンツ!!そしたらきっともう少し優しい人間になれるだろうよ!!
秘書室で作り上げた方程式に習い、パンツを穿いていない事を勝手に決めつけ、訳の解らない事を心の中でグチる。
さっきはこれで諦めたけど、今回は諦める訳にはいかないもんね!早く専務の処行かなきゃっ!!
「 お願いします、槇野さん! 絶対に専務にお会いしなければならないんです!!お願いしますっ!!」
言うや否や深々と頭を下げた凪に、「お教えしたところで、専務にはお会い出来ませんよ。」と槇野が冷たく言い放つ。
.........え、何で?
驚いた顔で頭を上げると、誰も通すなとの事でしたからと言われて凪はサーッと血の気が引いた。
...っ、それって、俺に会いたくないから.....?
顔が歪んでいくのが分かる。...泣くな、泣くな、泣くな。そう呪文の様に自分に言い聞かせ、槇野に再び頼んだ。
「それでも、やっぱり専務の居所、教えて下さい!! 会って貰えなくても、それでも...」
すがりついて懇願すると、心底面倒臭いといった顔でハァとため息を吐いた槇野が「常務室にいらっしゃいます。」と教えてくれた。
聞いた途端凪は、お礼を言うのも忘れて走り出していた。
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