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42にしおりをはさみました!
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専務室に軽くノックをして入ると、ソファーで仰向けに寝ている恭司がいた。
凪は寝ている恭司の腹の辺りの隙間に腰を下ろし、その顔を眺める。
......綺麗な顔。指も脚も長い。...キスしたら起きちゃう...かな?
一瞬躊躇するも、ちょっと触れるだけ、と欲望に負けてそっとキスをする。
離れようとしたら後頭部に手が回され、グッと押さえられた。
「おはよう。もうお仕舞い?」
「.........ぁ、...おはよう御座います。......もう、お仕舞い...です...はい。」
「可愛いお越し方だね。いつもより目覚めがいいよ。」
そう微笑まれ、良かったですと凪は赤面する。
「さぁ、今日はデートだからね。早く仕事片付けてしまおう。」
恭司に言われウキウキが高まる。昨日風呂に入ってから寝たのにも関わらず、朝、起きてからもう一度入ってしまい、母にふーん。と意味深な顔を向けられた。そのぐらい楽しみにしている。俄然やる気が出てきた。
一度秘書室に行くと槇野は昨日より3割増くらい冷たい。だがビビってる訳にはいかないので黙々と仕事をこなす。
秘書室での仕事を終えて、専務室へ戻ると恭司は電話をしていて、時折今日は無理だ。とか、絶対に駄目。とか言っているのを気にしながら聞く。こんなに期待満々に楽しみにしている初デートがおじゃんになったら泣くだろう。
電話を切った恭司につい縋るような目を向けると、断ったから大丈夫だよと微笑まれ自分の感情が顔に駄々漏れなのが物凄く恥ずかしいが、それだけ恭司が自分の事を見ていてくれているってことが分かりとても嬉しかった。
定時間近。仕事も片付き、ソワソワしていると、専務室の扉をノックする音がして開けると槇野が立っていた。
「ごめんなさい、相原さん、これ渡すの忘れてて。今日中にやってもらえるかしら?」
「......これ、......全部ですか?」
渡されたダブルクリップで止められた書類の分厚さを見て、これではデートどころではないと絶望的な気持ちになる。しかも、もうあと数分で退社時刻だ。絶対わざとだと、気持ちが沈んで浮いてこないまま、分かりましたと言おうとしたら、
「槇野くん、」と恭司が槇野へ声を掛けた。
「凪くんはこの後私に同行してもらうから、急ぎで無いのなら来週に回して貰えるかな。」
恭司はそうサラッと凪の残業を断った。
思惑通りにいかなったからか、恭司が凪を庇ったからか、「畏まりました」と退室していく槇野はなんとも言えない表情で、来週も怖いなこりゃと凪はため息を吐いた。
「さあ、これで帰れるだろう。私もメールを一件送ったら出られるから準備しておいて。これ以上のお預けは御免だからね。」
恭司の言葉に赤面し、...直ぐに支度致します。
と返した。
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