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胸の高鳴りの先は。にしおりをはさみました!
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胸の高鳴りの先は。
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朝になったら目覚ましが鳴って、体を起こす。眠い目を擦りながら歯磨きをして、学校へ行く。
学校と家が近いから、歩いて登校する。
「あ!藍!」
後ろから声がかけられた。
「あっ、大輝くん、おはよ」
「おはようっ!」
「朝から元気だね」
「えっ、そうか?そんなつもりないんだけどな…うるさかった?」
「そんなことないよっ、それが大輝くんの良いところでしょう?僕も元気出るよ!」
ニコッと笑って答える。
すると大輝くんは急に向こうを向いてしまった。
「えっ、どうしたの!?」
「いや…ち、ちょっと…」
心なしか顔が赤い…熱でもあるのかな…
背伸びして、顔を近づけて聞いてみる。
「…具合悪い?」
「…っ!…だっ、大丈夫!元気元気!」
「そう?無理しないでね?」
「うん!大丈夫だから!…そんなの反則だ…」
「え?なんて?」
「なんでもないなんでもない!あははっ」
「本当かなあ…」
話していたら学校に着いた。
下駄箱で靴を履き替えて教室に向かう。
「あ…」
途中で藤原先生を見つけた。
無意識に立ち止まってしまう。
「どうした?」
大輝くんに話しかけられてハッとする。
「あ、いや、なんでもないよ、教室行こ。」
教室に着いて少しすると、先生が入って来てSHRを始める。
「おはようございます。皆さんもそろそろ学校に慣れ始めた頃だとは思いますが、もう少しで高校生になって初めてのテストが始まります。緊張するとは思いますが、頑張ってくださいね。」
そういって先生はニコッと笑った。
そうか…もうすぐテストなのか…嫌だなあ…僕化学苦手だし…
「わからないところがあれば、化学資料室にいつでもいるので、気軽に質問しに来て下さいね」
そうだ、藤原先生が化学の先生だった…聞きに行こうかな…でもこないだの接触からなんとなく気まずい…ああ、でも化学の成績だけ悪いのもなんか意識し過ぎてるみたいで嫌だし…ううっ、どうしよう…仕方ない、放課後聞きに行こ。
ーーーー放課後ーーーー
教科書を鞄に詰めて教室を出る。
意を決して化学資料室のドアの前に立つ。
深呼吸をして、手をドア近くに持って行った瞬間。
ガチャ
とドアが開いて僕の顔に当たる。
「痛っ!…っう…」
「………え?」
先生が呆気にとられた顔をして僕を見る。
僕は鼻をおさえながら、
「あの…質問…しに来たんですけど…何処か行く予定でしたか…?」
「あっ、いや、大丈夫ですよ、それよりすみませんぶつけってしまって…痛みますか?」
そう言った先生の手が僕の頬に触れる。
僕は心臓の音がうるさくて仕方なかった。
どんどん顔が赤くなっていくのも分かったし、どう返事をして良いかがわからなくて黙っていた。
「んーと、とりあえず入りますか?」
こくんっと僕は頷いて、一緒に中に入る。
先生は救急箱みたいなのを棚から取り出して、絆創膏を持ってきた。
「鼻擦りむいちゃったみたいですね…一応貼っときましょうか」
そう言って僕と向かい合って椅子に座る。
辺りはとても静かで、僕と先生2人きりだけの世界のような気がしてくる。
また顔が熱くなって来て、心臓の音が聞こえそうなほど近い。
「はいっ、貼り終わりましたよ。」
先生はニコニコしていて、なんだか楽しそうに見える。
「…あっ、ありがとう…ございま…す…」
語尾が小さくなってしまったけど、ちゃんと聴こえただろうか、顔を上げて先生の顔を見る。
先生は笑って、「どういたしまして」と言った。
それだけのことで何故か、心がきゅっとした気がした。どうしてだろう…
「ところで、質問ってなんの質問かな?」
「あっ!えっと」
慌てて化学の教科書を出す。
「ここっ、なんですけど…よく、わからなくて…」
「うん?ああ、そこはね…」
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