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5.裁かれる想い16*にしおりをはさみました!
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5.裁かれる想い16*
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なんだ、それなら抵抗してもしなくても変わらないじゃないか。
抑えていた弱気が、心を支配しだす。
「嫌、あぁ、おえっ、げほげほっ、ん、助け、て……、あっ、あ、助けて、よぉ……栗原……」
もうどうすればいいかわからなくて、他力本願な言葉が口を出たとき、僕の手首が不意に解放された。
だけどほっとしたのも束の間のことだった。
その手は、すぐに僕の首にまわされたのだ。
「栗原の名前を出すんじゃねぇ……いくら悠生でも許さねぇぞ……!」
「ぐっ、んぅ……っ」
怒りのままに首を掴まれて、意識が遠のき始める。呼吸をしようと大きく口を開くけど、本当に息ができているのかすら判断できなかった。
僕はこのまま死んでしまうのだろうか。
嫌だ。怖い。死にたくない。
ーー栗原と一緒にいたい。
意識を手放しかけたころ、何かが割れる音とともに冷たい空気が部屋に入り込んだ。荒川さんもそれに気づいたようで、手の力を抜き、その冷たい空気の流れてきた方向を見る。幸運にも僕は殺されずに済んだのだ。
ドアには鍵がかけられていたから、ドアが壊されたわけではない。ドアと反対側にある、窓が割れていた。そこから、誰かが部屋に入ってくる。
「栗原……!?」
今まで見たことがないほど怒りに顔を歪めてはいるけど、確かに僕の大切な人ーー栗原だった。
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