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18歳以上ですか?
クローロ..5にしおりをはさみました!
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クローロ..5
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「…兄様方は知っていますか?
情報操作という言葉を。」
ルーノはペロリと下唇を舐めた。
「誘導すれば必ず、
一人の意志は世間的な意味で、紛れもない事実となる、
それが操作ですよ?」
僕がそれを出来ないとでも?
ルーノの何も映さない瞳に、
彼の兄達はやっと、身の危険を察知し始めてた。
二人はジリジリと後ずさる。
しかし、
既に取り返しはつかない。
「それより兄様方。
僕は兄様方の方が心配です。
毎晩書類を作成するのに手間取っているようですが…」
ルーノの言葉に二人は凍り付く。
実は二人とも、戦いには実質ほとんど参加しておらず、
自らの部隊を適当に出すだけに留まっていた。
しかも、父親の機嫌を取る為、
ルーノの戦果の一部を自分の物にする為の報告書を準備していたのだ。
「仕事も大事ですが、
睡眠もきちんと取って下さいね?」
第一子息と第二子息は顔面を蒼白にすると、
ろくに挨拶もせずに部屋から飛び出て行った。
その後ろ姿を眺めながら、ルーノは呟く。
「…そしたら、
寝首を掻いてあげるのに。」
傍についている使用人の顔から血の気が失せていくのも気にせず、
ルーノはふふふ…と一人微笑むと、
チョコレートを一粒口に含んだ。
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