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平穏?..2にしおりをはさみました!
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平穏?..2
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***
ルーノは彼の作戦本部に指示を済ませると、
いつもより緩やかな足取りで自室へと戻った。
戻るとすぐに、使用人に幾つか指示を出し、
彼自身は庭の方へと出る。
庭には、色とりどりの季節の花が美しく咲き乱れ、
珍しい羽の蝶がヒラヒラと、その上を舞っていた。
辺りは甘く香しい薫りに包まれ、
見る者に、今が戦時下である事を忘れさせる。
しかし今、ルーノはそれを見ている訳では無い。
「……。」
黙り込んだ彼の瞳は、
この優雅な花園よりももっとずっと遠くを、
ぼんやりと写していた。
その表情からは、ルーノの今の心情を推し測る事は出来ない。
暖かな風がルーノの髪を揺らすその姿は、
絵になりそうでいて、
決定的に何が欠けていた。
ルーノが外に出てから何分も経たず、
支度が整ったと使用人が告げに来た。
ルーノはその使用人の方は見向きもせず、
遠景から目を離すと、穏やかな表情を浮かべて部屋へと戻っていく。
昨日はあんなに素敵な事があったのに、
今日はなんだか気分が優れない。
それはきっと、疲れているからだ。
ルーノはベッドに腰をかける。
だから、疲れが取れれば…
彼の部屋のベッドサイドには、
睡眠薬と、それを飲む為の水が置いてあった。
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