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友達二日目にしおりをはさみました!
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友達二日目
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「田辺君、木曜日って2限と3限に授業あるよね?」
「え?あるよ。」
学校の帰り道、たまたま出会った増村と一緒に電車に乗る。
「じゃあさ、お昼一緒に食べない?」
「うん、いいよ。俺いつも毎週木曜一人だったし。」
木曜日は学科の友達の殆どが授業を入れていなかった為、俺はいつもひとりで食堂に行っていた。
一人で食べるご飯はなんだか味気なくて寂しかった。だから、木曜日に一緒に食べようと誘ってくれたことが単純に嬉しかった。増村もすごく嬉しそうに微笑んでくれた。
なんだろう、増村って大学生って感じがしない。特に、嬉しそうに笑う姿は幼く感じる。そんなことを考えていると、降りる駅に電車が着いていた。
「田辺君降りないの?」
「ああ、ごめん。降りるよ。」
二人一緒に電車から出て改札を通り抜ける。
そういえば、増村と帰るのは初めてである。俺のバイト先に来たことを考えれば、きっと家も近いんだろう。
「お前ん家、どこら辺?」気になったので尋ねてみる。
「ん?えーとね、田辺君がバイトしてるコンビニの近く。ここから15分で着くアパートに住んでるよ。」
「15分で着くアパートか。」
「田辺君、どうかした?」
「え?ああ、いや、俺の家も15分で着くアパートなんだ。だから、家が近いかもな。」
「そうなんだ。」
まさかな、そんな偶然ないだろうな。
同じアパートに住んでるとか、そんなこと。
「じゃ、俺の家ここだから。」
「え、僕の家もここ。」
「「……。」」
偶然というものは存在した。
「取り敢えず、エレベーター乗ろうぜ。」
「うん、そうだね。」
「何階?」
「3階。」
思わず、エレベーターのボタンを押す手が止まる。
「俺も、3階。」
「え。」
止まる空気。お互いに驚いて言葉が出ない。そして直ぐに、二人で笑い合った。
「まさか、増村と同じアパートに住んでたなんて!」
「僕も、全然気づかなかったよ!」
流石に部屋は302号室と307号室とで離れてはいたが、凄い偶然に出会った。
「じゃ、木曜日にね。」
にこやかに微笑む増村。
「ああ、またな。」
エレベーターから降りて、お互いにそれぞれの部屋へと向かう。
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