アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
戸惑い 2にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
戸惑い 2
-
「終わったぁぁぁ!」
亮平が両手を上に伸ばし、叫んだ。
俺も凝り固まった体をほぐすようにんん〜っと伸びをする。
この学園のテストは1教科が1時間半もあり、一日に2教科を一週間かけて行われた。
そのテストもようやく最終日を迎え、ホッとしている生徒が多数だ。
明日から7月に入る。
連日降り続いていた雨。今日は梅雨の中休みなのか、久しぶりに青空が広がっていた。
「母さん」
テストの間も関係なく母さんの病室を訪れていた俺は、最終日の今日もここに来て母さんを見つめる。
3日ほど前から、母さんの具合があまりよくないからだ。
今日も少し熱が高いようだった。
「母さん…」
不安が広がる。
このまま、もう二度と目を覚まさないんじゃないかと──…。
「…ひとりに…しないで…。」
今日も俺のつぶやきは、機械音にまぎれて、消えた。
夜まで病室で過ごし、今日は街に行って客をとらなきゃ、と病院を出る。
仕方ないんだ、俺には金が必要なんだ、と言い聞かせることが最近増えた。
6月に入れば連絡がくると思っていたけれど…リュウからの連絡はない。
最近夜は、毎日と言っていいほど仕事に追われているみたいだ。
…って、まるで俺がリュウからの連絡を待ってるみたいじゃねーか…と考えた瞬間に、鞄に入れていた携帯が震える。
取り出したのは、白い携帯。着信画面を確認すると──。
「──!」
そこには¨リュウ¨の文字。
何故か高鳴る心臓を抑え、電話に出る。
「…もしもし」
『今日、いつもの場所で待つ』
「…わかった」
たった、それだけ。
切れた携帯をしばらく眺める。
…ってかさ。いや、今から会うってことはさ。そーゆうことだよな?
俺はかつてないぐらいに緊張しながら、南区のあの場所へ向かう。
こんなに緊張する自分に戸惑いながら…。
「…っ」
いつものベンチに、今日はリュウが先に座っていた。
俺には気づいたリュウは立ち上がりこっちに近づいてくる。
「行くぞ」
俺の腕を掴み歩き始めた途端、急にこっちを振り向いた。そしてじっと探るように俺を見たかと思うと、再び歩き出す。
…なんだったんだ?
連れて来られたのは、やっぱりあのホテル。そしてやっぱり直接部屋へ向かうリュウ。
部屋の中に入ると、俺の緊張が増した。
「…白夜」
ただ、名前を呼ばれただけ。それだけなのに、心臓が跳ねる。
腕を引かれ、抱き留められた俺は、そのままソファへと倒された。
見上げると、俺を見つめてるリュウの黒い瞳。
だんだんと近づいてくるリュウに、俺は無意識に目を閉じた。
啄むようにキスを落とされる。そして徐々に深く重なっていく。
「…ン、ふ…」
歯列をなぞられ、舌を探られる。
やがて俺は自ら舌を差し出した。
途端に深く絡み、吸われる。
もっと欲しくて、俺は自分からキスを深くしていく。
口から零れた唾液が、顎をつたっていった。
「ン、は、…」
「どうした。やけに積極的だな」
からかいを含めた声にさえ、反応してしまう。
俺は今、変なんだ。
リュウの手が服を脱がそうとしているのに従順になる俺は、おかしいんだ。
ちゅく…と舌が耳を這う。
「んぁ…っ」
首筋を通り、やがて胸までくると、突起をぺろりと舐められる。
「ンっ…ぁぅ…っ」
「相変わらず、反応がいいな」
クっと喉の奥で笑ったリュウは左右を代わる代わる舐め、甘噛みをしてくる。
その度に、ビクビクと跳ねる体。
…気持ち、いい。
最近は、触られても快感ではなく嫌悪感が募っていく一方で。
だけど相手がリュウだと、すぐに体が熱くなる。
リュウの舌が、だんだんと下へ降りていく。
カチャ…っと金属音がしてベルトを抜き取り、ズボンを下着とともに取り払われた。
俺のソコは、既に甘い蜜を垂らしている。
「ククっ。もう泣いていたのか」
「ぁんっ…!」
指で先をグリっとこねられ、それだけでどんどん蜜が溢れてくる。
「いつにも増して、感度がいいな。なんだ、溜まっているのか?」
クチ…と音がして、リュウの手が俺のモノを上下にしごき始める。
「ぁ、ン…っ、あぁ…っ」
溜まっているかと言われれば、そうかもしれない。
満足にイクことが出来なくなっていたこの体は、解放を求めていた。
「ン、あ…もっ…と強、く…ぁっ…」
刺激が欲しくて、初めてリュウに対して快感をねだる言葉を口にしていた。
「やけに素直だな」
ふっと笑うと、強さとスピードを増し、追い上げるように擦られる。
そして胸の突起をカリっと噛まれ、体が跳ねる。
「ン…ぁ…、あぁぁっ…!」
噛まれた少しの痛みと、モノの先を指でこねられる刺激に、俺は久しぶりにリュウの手に熱い白濁を放っていた──…。
サラリ、サラリと頭を撫でられる感覚がする。
最近、よく撫でられてる気がするな…。
「ん…」
目を開けると、そこにリュウはいなかった。
起き上がると、カサリと音がする。
そこに目をやると、一枚の紙が置かれていた。
¨すまない。急用で先に出る。朝までゆっくりして行け¨
少し癖のある、右上がりの字。
その字をひと撫でした俺は、時間を確認する。どうやら気を失っていたのは1時間ぐらいのようだ。
体に残る、情事の後。今日は勝手に風呂には入れられていないことを感じ取る。
よっぽど急ぎの用事だったんだろう。
目が覚めてリュウがいないことに少しの寂しさを感じる自分がいる。
頭を振り、再びベッドに寝転がった。
「…俺は、一体どうしたってんだ…。」
ぼんやりと天井を見つめる。
ふいに俺を見下ろすリュウの姿を思い出し、心臓が跳ねた。
そして、頭を過ぎる、感情。
心臓を鷲掴みにされたような感覚になり、ギュッと目を閉じる。
「…違う。これはそんなんじゃない。俺は、もう二度と──…っ」
俺は、必死にその感情を否定する。
違う。…二回も誓ったじゃないか。
もう、二度と──…。
俺は、言い聞かせるように…何度も何度も否定し続けたーーーー。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
45 / 102