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*番外編*飲み過ぎ注意 1にしおりをはさみました!
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*番外編*飲み過ぎ注意 1
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「こんなもんかな」
学祭開けの月曜日。
生徒会専用の部屋に移動するため、俺は荷物を片付けていた。
元々荷物は少ないので、二時間もあれば大方終了。
ん〜、今何時だ?
壁にある時計を見ると、あともう少しで短針と長針が重なり合うところ。
12時前か……荷物運ぶより先に昼飯だな。
隆盛の部屋行こ。お昼作っとくって言ってたし。
昼飯何かな〜なんてフンフン鼻歌を歌いながら部屋を出て、八階へ上がるためエレベーターへ向かう。
素顔をバラして4日が経過。
まだまだ好奇な視線は無くなりそうにない。
まぁ、その視線に悪意は感じないから、気にしないことにしよう。
エレベーターに乗り、八階へ。
八階にあるのは、わずか10部屋。
生徒会四人と、風紀六人。
まだ風紀と話したことないんだよなー。見たことあるだけで。
どんな奴らなんだろ。
あ、あと生徒の部屋の他に、談話室と放送室がある。
談話室は分かるんだけど、放送室?
と疑問に思ってたら、生徒会及び風紀からの緊急な連絡の時に使用するらしい。
部屋の前に着いて、ポケットからキーを取り出して鍵を開け中に入る。
リビングに入ると、隆盛がソファに座って携帯と睨めっこしていた。
「どーした?」
画面を穴が開くぐらい見つめてる隆盛。
「いや……、片付け終わったか?」
難しい顔から一転、俺はを見て微笑んだ隆盛は携帯をテーブルに置いて立ち上がった。
「うん。後は運ぶだけ」
「そうか。じゃあ飯にするか」
サラリと頭を撫でてから、キッチンへと消えていく隆盛。
今日のメニューは何だろなー。
「んーっ、うまい!」
今日のお昼はツナと水菜の和風パスタだった。
水菜がシャキシャキしてていい感じ。
「そーいやさ、隆盛材料とかどーしてんの?まさか自分で買い物してんの?」
一階にあるコンビニには、コンビニなんて名前のくせにスーパー並みの品揃えだ。
隆盛がカート押して買い物とか……想像できねぇ。
「いや、週一で適当に食材が届くようにしてあるだけだ」
「へぇ〜」
そんな便利なシステムがあるのか。
そうだよな、食堂にルームサービスがあるぐらいだしな。
お昼も食べ終わって少し休憩したあと、再び三階の部屋に戻る。
今度は隆盛も一緒だから、この階では滅多にお目にかかれない会長様にみんな注目。
「これだけか?」
ダンボール四箱に、大きめの袋三つ。
「うん。元々あんまり物持たないんだ」
「これならすぐだな」
二つ重なったダンボール二つを軽々とかかえる隆盛。
すげー腕力だな、羨ましい。
俺もダンボールをひとつ抱えて、再び八階へ。
隆盛の部屋の左隣が俺の部屋。
反対側が祐輔先輩、その隣が明良先輩ってなってる。
昨日の打ち上げパーティーのときに、なんか昔のあだ名とかの話しになって、んでその流れでそういえば俺たちまだ苗字だね、ってなってそこからせっかくだしって名前呼びになった。
部屋の前についていったん荷物を廊下に降ろす。
「聖夜、ルームキーだ」
渡された二枚のカード。
「ありがと。んじゃ、こっちはハイ」
スペアの方を隆盛に渡す。
俺ももらってるしさ。持っといてほしいじゃん?
「……サンキュ」
嬉しそうに笑う隆盛に、俺も笑顔になる。
部屋に入ると、そこは隆盛の部屋とは少し間取りが違った。
寮部屋はすべて同じ造りだが、ここ八階だけ各部屋違うらしい。
サスガ特別寮…。
それにしても……広い。
ひとりで住むのに、こんな広さいらなくね?
「聖夜は荷物を開けていけ。俺は残り持ってくるから」
「サンキュー」
ダンボールを開け、まず衣類を片付けにかかる。
ジャケット、パーカー、パンツ、シャツ……そろそろ新しい服欲しいかなー。
あ、でもバイトしなきゃだな。
学園のは特待生特権でタダだけど、プライベートなものは自分で買うしかないし。
あ、でもバイトOKなのか?
なんて考えながら片付けていると、隆盛が荷物を持って帰ってきた。
「おぉ、一度に持ってきたのか、やるな。ありがと」
残りの荷物全部抱えて入ってきた隆盛。
たくましいっす。
隆盛も手伝ってくれてあっという間に引っ越しは完了した。
それから俺の部屋でダラダラと過ごし、気がつけばもう夕方。
「聖夜、出かけるぞ」
携帯をパチパチと操作していた隆盛が突然そう言い出した。
「ん?どこに?」
「秘密」
「へ?」
首を傾げる俺に隆盛は微笑むと、ジャケット着て来いって寝室に促される。
言われるがままに取りに行って着て、次は隆盛が自分の部屋にジャケット取りに行くのについていく。
隆盛の部屋の前で待っていると、祐輔先輩が部屋から出てきた。
「あ、聖夜くん」
俺にニコリと微笑みかけた祐輔先輩は隣の明良先輩のインターホンを鳴らす。
「明良先輩とどっか行くんですか?」
「ん?聖夜くんと隆盛も、みんなでだよ」
……そうなのか。
「お待たせー。あ、しろっち。引っ越し終わった?」
すでにあだ名呼びな明良先輩はそのままそうやって呼んでる。
「はい、終わりました」
隆盛が出てきて、四人でエレベーターへと向かう。
「あのー……どこ行くんですか……?」
「ないしょ~」
「内緒」
「行きゃわかる」
……行き先が分からないのは、俺だけらしい。
頭にハテナが浮かんだまま、まずやって来たのは学園裏の倉庫。
そこにあったのは三台のバイク。
黒のバイクは見覚えがある。隆盛のだ。
じゃあ、青と赤は、もしかして………。
「そんなに意外?」
思わずバイクと持ち主本人を交互にガン見してしまったからだろうか、苦笑いの祐輔先輩。
「いや、まぁ……」
意外です。青が祐輔先輩のだと思いました。
「赤好きなんだ」
燃えるような真っ赤なバイクは祐輔先輩のでした。
というか、そもそも祐輔先輩がバイクに乗るのが意外です。
「祐輔が一番運転荒いんだよね~」
の明良先輩の言葉に、祐輔先輩の後ろだけは乗らないようにしようと誓った。
隆盛の後ろにまたがり、街中を走り、しばらくして路地へと入っていく。
バイトが停まった先は。
あれ……?ここって……。
「ルイたちの溜まり場……?」
前に来たことがある、見覚えのある倉庫。
え、なに?俺たちも集会に参加?
頭にハテナを浮かべながら祐輔先輩、明良先輩、隆盛と続いて俺が入るーーーと。
パン!パンパン!
「……っ?!」
破裂音と、舞う紙吹雪。
幾つものクラッカーが俺の方へ向いていた。
「退院おめでとー(ございまーす)!!」
「へ?」
「ビックリした……」
倉庫内にいたのは、ルイ、レン、ミツとそれぞれのチームの奴ら。
そして真吾さん。
チームのみんなが俺の退院祝いを計画してくれたみたいで、今日やろう!と隆盛に連絡が入ったらしい。
昼に隆盛がリビングで携帯を見ていたのは、それだったみたい。
まさかこんな事をしてくれるなんて。
「ありがと、みんな」
嬉しくて、顔が緩んだ。
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