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*番外編*見られちゃったにしおりをはさみました!
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*番外編*見られちゃった
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「隆盛~、出来た」
「サンキュ。じゃあ、次これ頼む」
「おっけ」
俺は今、隆盛と一緒に生徒会室でせっせと仕事中。
青藍祭を明後日に控え、校内は活気付いてる。
俺のクラスがやるおばけ屋敷も完成したらしく、純が目をキラッキラさせながら感想を述べてくれた。
にこにこ笑顔で、クラスのみんなで確認を兼ねて中まわるから聖夜も一緒に!なんて誘ってきたが、即効で断った。
そんなもん見たら、夜寝れん。
祐輔先輩と明良先輩はさっきまで一緒に仕事してたんだけど、なんかの業者がきて、出て行った。
生徒会の出し物に関係あるみたいだけど、一体何をするのやら。
「うし、終わり。なー、隆盛。ちょっと休憩しよーぜー」
喉かわいた。
「あぁ、そうするか」
「お茶いれるー」
生徒会室にある簡易キッチンに入って、お湯をわかす。
祐輔先輩オススメの紅茶を選んで入れた。
トレーにポットとカップを二つ、あとクッキーを乗せて戻ると、ちょうど隆盛の作業が終わったとこだった。
「ん」
ソファに移動した隆盛の前に紅茶を置くと、優しい笑顔が返ってきた。
「サンキュ」
隆盛の隣に座り、紅茶をすする。
んー、やっぱ祐輔先輩が入れた方がウマイな。
クッキーをつまんでポイッと口にほりこむ。
「うまっ」
あまりの美味しさに、ちょっと感動。
もう一個手にとって、じぃっと眺める。
普通のバタークッキーに見えんだけどな。
やっぱ高いのかな。
とそんな事を考えていると、横で隆盛がくっくっと笑った。
「なんだよ」
「いや、可愛いなと」
「は?」
今のどこがだ?
「クッキーひとつでそんなに感動するとこが」
「…子供だって言いたいのか」
「素直だと言っただけだ」
「…ソーデスカ」
駄目だ、むずがゆい答えしか返ってこねー気がする。
お茶をおかわりして、クッキーもほとんど俺が食べて、まったりとした時間が過ぎて行く。
と、ふいに隆盛が俺の髪を撫でた。
「ん?」
「いや、伸びたなと思って」
さらさらと隆盛の指が髪の毛を梳いていく。
そーいや切ったのってだいぶ前だなぁ、なんて考えながら、心地よさに目を細めた。
「バッサリ切るかな」
ずっと長いままだし。
なんてつぶやくと、隆盛の力強い一言。
「駄目だ」
「なんで」
「せっかく綺麗な髪なんだ、もったいないだろ」
指でくるくると髪をいじりながら、極上の笑顔で言うもんだから…切れねーじゃねーか。
「…そ。」
少し照れ臭くて、下を向く。
「お、わっ」
隆盛の手が髪の毛から離れたかと思うと、おもむろに俺の脇に手を伸ばし、自分の膝の上へと持ち上げた。
上に乗ると、俺の方が少し目線が高くなる。
隆盛は俺を見上げ目を細めて笑うと、後頭部に手を伸ばしグッと力を込めた。
「…ん、」
あっという間に距離がゼロになり、ちゅっと軽いキスから始まったそれは、だんだんと深いものに変わっていく。
隆盛の首に腕をまわし舌を差しだすと、すぐに熱い舌に絡めとられた。
「ん、ふ…ぁ」
隆盛の手がシャツのボタンにかかる。
それに気づいた俺は、慌てて体を離そうともがいた。
「ちょ、何してんの」
「ボタンをはずそうとしてる」
んなことは分かっとるわ。
「いや、待て。駄目だろ」
「何だ?昨日もここでヤっただろ?」
はい、そーですね。
いたしましたけど!
「今日は駄目!」
「何でだ」
何でって!
「祐輔先輩たち、もうすぐ帰ってくるだろ!」
ただいまの時間、午前10時45分。
祐輔先輩たちが出ていったのは、10時。
そのとき、「一時間ぐらいで帰ってくるよ」って言ってただろ!
「大丈夫だろ、まだ時間はある」
「は?」
「お前をイかしてやるぐらいは」
「え?は?」
ポカンとしてる俺をよそに、隆盛はぷちぷち…とボタンを外し始めた。
いや、ちょ、あのさ。
「ちょ、りゅうせ…ひぁっ」
鎖骨あたりをちゅうっと吸われ、反応してしまった。
ちょ、ちょ、ちょ!
「りゅうせ…っ、まっ」
俺の制止の声なんて完全スルーで次々と肌に唇を落としていく。
シャツは完全にはだけ、隆盛の手が肌の上を滑る。
「んっ…ぁ」
だんだんと力を無くしていく俺を隆盛はクスリと笑って見つめ、肌を滑る手がズボンに伸びた。
器用に片手でベルトを外し、ファスナーに手をかけ降ろすと、下着の上から優しくなぞるように触れてくる。
「腰上げろ」
ゾクリと粟立つ用な低音でそう囁かれると、素直に従ってしまう俺。
腰を上げると、隆盛の手がズボンと下着をまとめて降ろそうとした。
ーーーその、瞬間。
「隆盛、ちょっとコレは………あ、ごめん。」
ガチャリと勢いよく開いた扉の音が聞こえ、続いて祐輔先輩の声が届いた。
「わぉ、しろっち刺激的ぃ」
それに続いて明良先輩の声も。
チッと下から舌打ちが聞こえたかと思うと、グイっと腕を引かれ、隆盛の腕の中に閉じ込められた。
「何でもう帰ってきた。早いだろ」
「ちょっと予算オーバーしそうだったから、隆盛に聞こうと思ってね」
「いつも勝手にやってんだろが」
「いやー、虫の知らせかな?なんとなく戻った方がおもしろいことあるかなぁって」
「おもしろいことってゆーより、やらしいことだったけどね~」
なんてやり取りが俺の右側から聞こえる。
アハハ~って笑ってる場合じゃありません、明良先輩。
隆盛によってはだけられたシャツは肩丸出し、ズボンと下着は少し下げられた状態……。
ーー見られた。見られたっ!
「ハァ。俺は今忙しいんだよ、他で帳尻合わせて勝手にやってろ」
「何に忙しいんだか。
そんなに睨まないでよ。はいはい、勝手にします。
明良行くよー」
「んー」
二つの足音が遠ざかって行く。
扉を開けた音が聞こえ、そしてクスっと笑う声がした。
「隆盛。汚れたら、ちゃんと掃除しといてね?」
ーーーーっ!
パタン、閉じる音が聞こえ、ハァ、と隆盛が息を吐いた。
そして隆盛の腕が緩んだ瞬間、俺はがばり!と立ち上がる。
「聖夜?」
隆盛が不思議そうに見上げてくるが、俺は急いでズボンをひっつかみファスナーを上げて、シャツを羽織って、あわてて休憩室へと逃げ込んだ。
うぅ~っ、見られた上に…。
祐輔先輩の最後のセリフ、絶対からかった!
クスって愉快そうに笑ったし!
もー、次どんな顔して会えばいいんだよ、くそ。
「聖夜?どうした?」
「隆盛のアホ!もーぜってぇここでしない!」
そう叫ぶと、俺はシャツのボタンを止めて、ベッドへともぐりこむ。
ふて寝だ、ふて寝!
休憩室に入ってきた隆盛がなんか謝ってた気もするが、俺の気持ちはなかなかおさまらなかった。
じっと目を閉じてるうちに、本当に寝てた。
起こされて、遅めのお昼を食べているとき、やたら祐輔先輩と明良先輩の生暖かい視線が気になったが、スルーしておいた。
俺が寝てる間に帰ってきたらしい祐輔先輩たちは寝る俺を見て、やりすぎて疲れたんだろうと勘違いしていたのを、俺は知らない。
否定しとけよ、バカ隆盛っ!
青藍祭当日、美容師呼んだから聖夜くんの髪を切るね、と言った祐輔先輩に、長さは変えるなと隆盛が強く言っていたことも、当然ながら知る由もない、俺だったーーー。
END
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