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転校にしおりをはさみました!
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転校
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そうして俺の初恋は玉砕され、6年生に上がり、そして卒業するとジヨンは転校して行った。
卒業式で女の子達が泣いていたのを見て初めて知った。
「うわぁぁ…私のジヨンさまぁ…」
「ねぇ!本当に韓国なんて行っちゃうの?」
「….うん。本当は俺も日本にいたいんだけど、こっちには親戚もいないし…。」
「いやぁあ…行かないでぇ!」
(そう、なのか。韓国に…。
…あぁ、だから名前がジヨンなんだ。)
なんて妙に冷静になっていた。
「じゃーね」なんて手を振り校門をくぐっていく。
「……さようなら、俺の初恋。」
そうして残された俺たちは中学に上がる。
中学に上がっても、女子トイレで、なんて幼稚なものはなかったがまたイジメが再開された。
俺の何が気に入らないんだろう
俺、何かしたのだろうか
そんなことばかりを考えて、中学3年間は過ぎていった。
そして高校は地元からは遠い二町離れたところに入学した。
ヤツらから逃れるために。
そのために必死で両親を説得して、どうにかこうにか一人暮らしを許してくれた。
(今になって、よく許してくれたなぁ、なんて思うよ。…ははっ)
しかし、その甲斐あって高校生活は順風満帆だった。
マンガ研究部に入り、色んな世界を知った。
友達もたくさんできて、すごく楽しかった。
そんな3年間などあっと言う間で、すぐ就活がやって来た。
俺は家具に興味があった。
有名なブランド家具メーカーの『S&F』での就職が決まり、その夜は部活の皆で就職祝いと称して俺の部屋で呑み明かした。
そうして卒業していき、就職組みと進学組みでは会う機会がなくなって今に至る。
「…そうだ。全部思い出した」
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