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電話 奏里sideにしおりをはさみました!
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電話 奏里side
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おにーちゃんが部屋に帰ってから、あたしは心の中で叫んだ。
(あんの、ばかあああああああああああああああああああああっっ)
怒りのままにスマホを取り出して、あの馬鹿に電話をかける。
向こうも電話がくることを予想してたのか、ワンコールで出た。
「ちょっと!どういうこと!?!?
あれだけ大切にするって約束させたのに!!!」
『…わりぃ。俺も反省してる』
「どうしてそんなことしたのよおお、
しかもなんでいつもしてるとかなんとかテキトーなことを言ったわけ!?
おにーちゃんにビッチと思われたかもしんないじゃんどうしてくれんの!?」
『言い訳が思いつかなかったんだ』
「し、ら、な、い、し!!!!
なんでこんなことに…」
『なあ』
「…なに、いきなり」
『俺やっぱ、あいつのこと好きだわ。
今日だけでも痛感した。
余計どうしていいのかわかんねえ』
「…ふん、あたしの自慢のおにーちゃんのファーストキス奪っといて、好きじゃなかったとか言ったら切腹もんだよ」
『…まじで? ファーストキス?』
「あったりまえでしょ!
世の中、あんたみたいに軽い人ばっかりじゃないんだから!!」
『でも、俺も、ファーストキス…』
「……………………は?」
『ファーストキス』
「……嘘でしょ!? ヤリまくりのあんたが?」
『あんなのただの性欲処理だし…
実際はちょっと胸いじって、濡れたら挿れてハイおしまいの作業だ』
「キスはしないの?」
『しない。彼女にもしなかった』
「…ほんっと、よくわかんないなーあんたは。」
『俺、ずっとあいつのこと好きだったから…』
「…そんなナリして一途なんだね」
『…別に』
「…はーあ、せいぜい上手くやって下さいよ?
…そんで、おにーちゃんを幸せにして、あんたも幸せになってよね」
『…がんばる』
「そうじゃないとあたしが身を引いた意味がないんだから!」
『…わかってる、ありがとう』
「…うん」
『なあ』
「今度は何よ」
『あいつが、俺に言ったんだ。
冬の太陽みたい、って。
心をあっためてくれる、って。
母さんを救えなかったこんな俺に』
「……………そっか。
やっぱりおにーちゃんはおにーちゃんだね。」
『昔のこと、思い出したよ。
あいつ、俺のこと忘れてるみたいだけど、いつか思い出してくれっかな…?』
「うん…きっと。
おにーちゃんが、あいつのことを乗り越えたら、自然と思い出すんじゃないかな」
『…そうであることを願う』
「願ってるだけじゃ駄目にきまってんでしょ!!!
おにーちゃんが思い出せるように努力しなさい!」
『本人が忘れようとして忘れたのに、か?』
「…このままにしてたら、おにーちゃんはいつまで経っても成長できないんだよ、わかるでしょ?」
『…ああ。
…でも、ちょっと、怖いんだ』
「大丈夫だよ!
おにーちゃんは、強いもん!」
『…そうだな』
「明日も頑張ってよ!!
応援してるから!」
『さんきゅ。
奏里。お前ってほんと良いやつだよな』
「は、はぁ!? うっさいな!!!
好きなおと…友達、と兄の恋路の応援くらい誰だってするでしょ!!」
『…そういうとこが、さ。
これからも、よろしく』
「あーもう!!!うるさいうるさいうるっさーいっっ!!!!!
もう切るから!!!」
通話終了のところを思いっきりタップして、ベッドにぼすんと横たわる。
「………………………ばーか」
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